播州赤穂から日生散策へ

(2011・3・24)

 起床してなにげなく今日はどう過ごそうかなと・・・・あいかわらずの暇人生活です。そうだ青春18キップ旅、東日本大震災でしばらく中断していましたが、キップの有効期限もあるので何処かへ行こうと考える。播州赤穂なら新快速で一直線、乗り換えなしで3時間で行ける。前から一度降り立ってみたいと思っていた日生(ひなせ)も4駅程先、天気も回復しそうなので急遽出かけることにしました。もちろん詳細は検討しない。いつものごとく決めたのは行き先だけ、スケッチ道具だけ持って8時31分発の新快速に乗り込む。




JR播州赤穂駅
 11:07播州赤穂駅に到着。日生も行きたいので赤穂散策もそんなに余裕はない。駅の観光案内所で聞くと、1時間くらいで行けるところは赤穂城しかない。道もわかりやすく、駅正面の整備された広い道路を南へ徒歩約15分ほど。さっそくでかける。


花岳寺(かがくじ)
 城への途中花岳寺の案内が、右に入っていくと赤穂義士ゆかりの史跡花岳寺があった。この寺は浅野家をはじめ歴代赤穂藩主の菩提寺でした。寺の山門は赤穂城塩屋惣門を移築したものとか・・・




再び大通りに戻って、道なりに進むとすぐに赤穂城に着いた。


赤穂城の表虎口である大手門と隅櫓

 だいぶ前になるがこの赤穂城の前を車で通ったことがあるので見覚えがある。大手門から城内に入る。石垣に沿って回り込むと大石良雄邸の長屋門になる。そこから大石神社、二之丸門跡から本丸へとつづいている。



大石良雄宅跡の長屋門
 浅野長直の赤穂藩入封以来、57年にわたり、大石家三代の居宅がありましたが、享保14年(1729)の火災で建物の大半が消失し、現在この長屋門だけが残っている。


大石神社本殿

 大正元年、大石内蔵助以下四十七義士と萱野三平などを合祀して創建されました。





赤穂城本丸門
      国史跡 赤穂城跡

 赤穂城は、近世になって発達した軍学、兵法に従って縄張された城であり、本丸、二之丸、三之丸のすべての郭が残された貴重な近世城郭遺構であることから、昭和46年(1971)に国史跡に指定された。

 現在見ることができる赤穂城は、浅野内匠頭長直(浅野家初代藩主)が十三ヶ年の歳月を費やして築城した変形輪郭式の海岸平城で寛文元年(1661)に完成させたものである。
(忠臣蔵で知られる刃傷をした長矩の祖父)


赤穂で興味をひいたのはお城ではなく、赤穂旧上水道でした。

わずか1時間強の滞在なので、町中にあった案内板の知識だけですが・・・・・
 赤穂城は海岸沿いに築かれ、その城下町も千種川(ちぐさがわ)河口のデルタ上にあります。赤穂旧水道は、良い飲料水を得るため約7キロメートル上流の千種川から取水し導水路を経て城下町、城内へ配水したものです。この施設工事は17世紀前半に池田氏の代官(郡代)垂水半左衛門が指揮をして行われました。赤穂旧上水道は侍屋敷だけではなく町屋にも汲出枡(井戸)を各戸へ給水していることが特徴です。江戸の神田上水や備後の福山上水とともに日本三水道の一つといわれています。



次は日生(ひなせ)



 日生は岡山県の東玄関、JR赤穂線でわずか4つ目の駅だ。江戸時代から瀬戸内の漁港として栄え、大小14の島々が浮かぶ日生。

 駅前の観光案内所で日生の町の情報を仕入れる。食事どころ、スケッチポイントなど親切に教えてくれた。

 楯越山(たてこしやま・標高126m)の周囲を歩いた後、この低山に登って日生を一望する。







どんな作業をする漁船かな…
かきイカダを運ぶのかな






JR日生駅をでると正面の山の斜面に「ひなせ」の文字が見える。あの山の周りはスケッチするポイントや食べ物屋が沢山あると観光案内所で教えてもらう。



 大勢の人が一列に並んで手渡しでトラックから、かきの幼生を付着させる採苗器(さいびょうき)を船に積み込む作業をしている。いかだまで運んで取り付けるのだろう。


日生はかき養殖が盛んなところなんだ。





 かきの幼生を付着させる採苗器(さいびょうき)が岸壁に沢山並んでいます。ホタテ貝の中央に穴があいていて針金で何枚も取り付けてある。





冷たい風の吹く岸壁で、大きなカキいかだ作り作業中だった。出来た筏はレールに沿って海の上へ降ろされる。あとは作業船がけん引して波静かな湾内へ設置するのだろう・・・・




 かき養殖用のロープ作りだそうだが、どのように使われるかは聞き洩らしました。海岸沿いの風はとても冷たく寒かったです。まだまだ陽気な春の気候とはいきませんねと一人のおばさんに話しかけたが、あとの人たちは無愛想に見ているだけ。聞けば中国からの季節労働者でした。毎年この時期に来ているという。この周りで5人のスケッチおばさんが港風景を描いていました。


 漁協市場へ立ち寄ってみる。ここは五味の市の愛称で親しまれています。でも、ウイークデイなのか、かきのシーズンオフなのか、魚市場「五味の市」は閑散としていました。この施設は日生の超人気ポイントだという。



海の幸が山盛りの日生丼(1,480円)をいただく

五味の市の向かいに「海の駅しおじ」があり、その中に「日生のどんぶり屋」というお店がありました。漁協直営、お勧めの「日生丼」はでとても美味しかったですよ。



食事をした後、腹ごなし兼ねて低山歩きへ。海を見下ろす高台にある八幡宮から山道を登る。中腹からの展望です。





日生諸島・小豆島方面

 日生の港を見下ろす楯越山頂上にある「みなとがみえる丘公園」からの展望です。日生諸島の美しい景観が目の前にせまり、眼下の静かな湾にはカキいかだが見えている。かすんでいるが正面奥に小豆島が見えている。






市街地中心部 日生街並みと日生港をスケッチ






左からJR日生駅・日生フェリー港から右手は日生・東方面です。






下山途中にある展望アズマヤ


与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑



カキオコってなに?

 狭い日生の町中を歩いているとやたら「カキオコ」のカンバンが目立ちました。後で知ったが「カキお好み焼」のことだそうです。日生には12軒ほどお好み焼き屋さんがあり、そのうち7軒でカキお好み焼きが食べられるそうだ。日生はカキ養殖が盛んだからと納得する。独特のお好み焼き(日生焼き)に季節限定の地ガキを町おこしとしてカキオコをPRしている。この「カキオコ」は2008年に地元の備前東商工会が商標登録しているという。