2013年8月10日 三日目です。
( 2013・8・8〜10)

 今日は3日目、帰路も往路と同じ普通列車の乗り継ぎだから8時間かかるだろ。自由になるのは半日、さて何処かを散策しようか。出発するときは最終日はまだ行ったことがない「伊豆の下田」まで行こうと思っていましたが・・・・昨夜、ホテル横の居酒屋でであった地元の男性二人から、一夜城(豊臣秀吉の小田原攻めのとき造った城)へ行ったらと勧められる。歴史的な話は好きなので興味をそそられたが、この暑さでの山歩きはきつい。そこで、あらためて手元の「箱根」ガイドブックを見たら「湯河原」が目に入る。湯河原といえば、文豪や画家が筆をとった万葉の昔から知られる湯だ。日本最古の歌集「万葉集」約4,500主ある和歌の中で、唯一詠まれていた湯の風景とある。夏目漱石や芥川龍之介ら多くの文人・墨客が訪れ、この地で創作にいそしんだ温泉郷だ。往時の風情を感じてみたくなり湯河原温泉を訪ねることにした。





不動滝を背にして茶店を描く。この茶店の後ろが不動滝のバス停です。

 早朝6時過ぎ、熱海行き普通列車に乗る。湯河原は熱海の一つ手前の駅だ。ガイドブックの湯河原散策アドバイスどうり、まず駅前からバスで不動滝へ行く。不動滝は湯河原温泉の先にあり、だいぶ高台になっている。を降りるといくらか涼しく感じる。不動滝へはバス停傍の建物の横を入って行くとすぐにありました。かなり高台にあるからか駅前よりかなり涼しく感じる。




不動滝への石段
 滝壷のほとりに不動明王は祀られていることからこの名がついたと言われている。


不動滝



スケッチの後、藤木川に沿ったバス道を歩いて湯河原温泉の中心街へ下る。訪ねたいのは町立湯河原美術館と文豪・墨客が滞在しただろうと思われる歴史のある旅館などです。しかし、駅から乗った不動滝行きのバスから見た町はそんな風情は感じまい。さて、なにかに出合えるだろうか。


源泉境あたりの藤木川と小さな滝(だるま滝?)
源泉境
 湯河原には現在165本の源泉井戸があり、特にこのあたりを源泉境と呼び、良質の井戸が約30本集中している地域です。湯河原の温泉は含石膏弱食塩水といい、全国的にも優秀な泉質と豊富な湧出量で知られている。温度は60°〜90°、無色透明で周囲がなく肌触りの滑らかなのが特色です。


最初に出合った古民家?この規模と建築スタイルから温泉旅館だったのか・・・
売家の看板はあったが、建物の説明などはない。
こんな複雑な建物は私の手に負えない、HP用として写真に保存です(^_^;)。



 さらに下って行くと町立湯河原温泉美術館に出合う。館内は常設館と松平礼二館、企画展示室の三つがありました。常設館は湯河原にゆかりのある作品の中から約20点が展示、晩年に湯河原に住んだ日本画家竹内栖鳳(せいほう)や洋画家・安井曾太郎などの作品が鑑賞できました。それに現代日本画壇の第一線で活躍する日本画家・平松礼二氏の作品を楽しめました。平松氏がフランスのモネ財団から譲り受け、株分けされたモネの睡蓮も紹介されました。



町立湯河原温泉美術館の正面玄関
この美術館は明治時代 創業の老舗天野屋旅館(本館)だったとのこと。職員の方から教えてもらいました。


 美術館庭の隣にちらっと見えた源泉・上野屋、ここは江戸時代創業で水戸光圀も当時に訪れた老舗宿だとか・・・




当時の天野屋旅館の階段
 職員の方から当時のまま残された階段だと教えてもらえました。湯河原温泉を代表する老舗旅館だった天野旅館は伊藤博文、夏目漱石、横山大観、安井曾太郎等、著名人の定宿であった。夏目漱石の「明暗」の舞台となったことでも有名です。


美術館浦の窓から見える庭は
旅館当時のものだそうです。



美術館をあとにして湯元通りを歩いてみる。



湯元通りのゲートからスケッチしました。





湯元通りにあった建物



後は万葉公園を散策して独歩の湯へ向う。



和風の感じと、現代風の建物が混在する湯河原風景




絵になりそうな建物、これもスケッチは断念、
写真に残すだけにしました。

橋を渡って万葉公園へ登って行く。



公園入り口に温泉ノサンプルが・・・
千二百有余年の長きにわたってこの地に湧き続けている温泉に触れられる。ちょっと指を入れたが熱かった〜(@_@;)。



高台になっている公園入り口からの展望




なんの社か、メモ忘れました(^_^;)。



こんな温泉井戸の櫓があちこちにある。



独歩の湯
 ガンガン照りの中、とても足湯などできないのでパス。




落合橋まで戻ってバスで湯河原駅へ。


 今回の湯河原温泉もスケッチネタ探して駆け足散策しました。それでこのページのごとく歴史のあるような建物ばかり探して歩きました。いいなあと思いながらも猛暑日の連続でフラフラ、描く気力を失ってしまいました(^_^;)。

 帰りは熱海で乗り換え、順次普通列車を乗り継いでなんとか無事に滋賀まで戻れましたが、どの列車も通勤ラッシュ並みの混雑でまいりました。JR東日本の普通列車は15両も連結していましたが、そのうちの2〜3両はグリーン車なので、けっこう混んでいました。もともとは同じ母体の鉄道会社ですが、JR東海、JR東日本、JR西日本の列車およびサービスはそれぞれ雰囲気が違うのを感じ楽しかったです。それでも、やはり乗りなれたJR西日本が落ち着きますね。 たった二泊三日の青春18キップ旅なのに、なが〜い、なが〜いページになってしまいました。最後までご覧いただき感謝です。