富士登山



[日 時] 1999年7月9日(金)〜10日(土)
[交 通] 豊川IC(愛知県)→(東名高速)→富士IC
     →(西富士有料道路)→富士スバルライン(無料)→新五合目着
     ・・・駐車場も無料はうれしかった。
[コース] 富士宮口から山頂往復
[ メンバー] KEN単独


 
 富士山は日帰り低山ハイクばかりのKENにはムリかなと考えていましたが、
単身赴任先の豊川市からは車で3時間弱ときいて急に実現しました。
富士登山は約30年ぶりの二回目になりますがほとんど記憶に残っていません。
そこで富士山のこと、囲炉裏の皆さんから豊富な情報をいただいて勇気百倍(^^;)一人
登山をしてきました。登山コースは車でアプローチ時間が最短、登山時間も最短の富
士宮口に即決しました。山と高原地図「富士・富士五湖」(昭文社)には、富士宮口
は最も古い登山道で平安の昔より発展してきた表登山道とある。
 
19:00豊川市のアパートを車で出発、コンビニでおにぎりと飲み物を購入して豊川
ICから東名高速へ入る。金曜日の夜なのに車の流れはスムーズ約2二時間で富士IC
に着きました。東名出口で西富士有料道路にジョイントされていて迷うことなく富士宮
口に向かえる。この道路は富士宮市に入ると平行していた139号線に合流、まもなく
富士山への標識があり右折すると富士スカイラインだ。
 
東名道路の海抜0メートルから一気に2,300mの世界へ森林地帯の道路をどんどん
登っていく。行き交う車もすくなく本当に富士山新五合目に通じている道なのかと思う
ほどだ。139号線を右折してから20分くらいで新五合目への分岐にでる。ここを左
折、カーブの連続になる、高度が上がり車窓からは下に町の灯りが、空には満天の星が
眺められとてもきれい。
 
21:40標高2,400mの富士新五合目の駐車場に到着。心配していた駐車難もなく最初
のエリア五合目レストセンター(休憩所、食堂、トイレ、登山口入り口)の前に駐車で
きた。

この写真は翌日下山したときのものです。

    

レストセンター正面の登山口の石段(左の写真)  これを登った所から富士山頂を見る(右)。

              

                 レストセンターと新五合目の駐車場

ここからは下界に広がる夜景がとてもすばらしい。また空には星が一杯、七夕は
過ぎたがロマンチックな銀河を眺めることができた。明日はきっと快晴に違いない、す
ばらしいご来光に出会えるだろう。
 
ここで高山病対策の慣らしのため食事して仮眠するはずでしたが、レストセンター
はすでに閉店。しかたなくコンビニで買ったおにぎりで夕食を取る。気にしていた頭痛や
頭が重いなどの症状もないためさっそく登山開始する。
 
22:30大きな案内板のある横の石段を登ると右手に公衆トイレがある。暗くてよくわ
からないがもうこのあたりは樹木はなく、ロープがガイドになっているゆるい砂礫の登り
をヘッドライトの明かりを頼りに登山開始。まだご来光目当てには早いのか登山者はまば
らだ、上を見上げてもランプの明かりはちらほらで夜空の星が空一面に広がっている。約
20分弱で新六合目の小屋に到着。前を歩いていた中高年の4人組はここで高度慣れする
ために大休止すると話していた。私は気分は上々なのでそのまま通過して六合目に向かう。
 
ところが六合目の小屋を過ぎるあたりからなんとなく頭がぼっとしてくる。体がふわ
っとした感じで歩く足取りも頼りなくなってきた。まだ序の口というのに先が心配だ。時間
はたっぷりあるぼつぼつ行けばなんとかなると思い休憩ぜずに通過する。足下はごつごつし
た岩と歩くたびに足を取られる砂礫、自分のヘッデンのほかには明かりが無くてとても歩き
ずらい。やはり初めて同然の高山は昼間にすべきかと後悔もするが、せっかくの富士登山な
のでやはりご来光の魅力には勝てないな。ガンバロー(^^;)
 
ガイドロープをたよりにヒイヒイいいながら、ちょっと歩いては小休止、時には座り込
んだりの繰り返し、シャリバテしたときと同じような感じ、まるで夢遊病者のような感じだ
(@_@)。最近はしょっちゅう散歩や山歩きをしていているのにこれはやはり高山病にかかった
のかなあ。
 
01:30やっと八合目に到着。小屋には小さな明かりがついていてお泊まりの方は声をかけ
て下さいと書いてある。私は小屋前のベンチで小休止、寒さがこたえてきてジャンパーの上に
レインウエアーを着込んでウツウツしてしまいました。両横にはスエーデンからきたという学
生さんばかり、みんな寒い寒いと震えていました。ホッカイロ持っているのを思い出してプレ
ゼントしたら使い方よく知っていてカシャカシャシェークしてましたがちっとも暖かくならな
いらしい、これも賞味期限(^_^;)あるのかな。それなのにお礼にチョコレートもらってしまいま
した。
午前2時過ぎ彼らの一行が登山準備をし出しました。4時半頃ご来光ならちょうどいい時
間だ。気分もだいぶすっきりした、私も彼らに続いて出発しました。
 
気持ちよく歩き出したのに30分も歩かないうちまた夢遊病状態(-_-;)、ちょっと胸も気
持ち悪くなってくる。九合目を過ぎたらもう10歩歩いては一休み、5分歩いては道ばたにごろ
寝の繰り返しが続く(*_*)(*_*)・・・状態です。薄闇の登山道ではあちこちで私状態の人を多く
見ましたよ。みんな同じなんだと少し安心しました(^_-)。
 
4時を過ぎると東の空がぼーっと明るくなってきた、右手真横には下弦の月が手に取れそ
うなところにある、幻想的な景色だ。登山道の真横には薄汚れた万年雪が一本下の方まで続い
ている。九号五勺を過ぎて頂上の浅間神社の鳥居が近づいてきた頃東の空が明けてきた。すば
らしい天気の朝だ!!


          

     頂上の鳥居すぐ上に見えた。もう一息だ!!            頂上の浅間神社

 
04:20頂上だ・・・やったぞ〜!!(^o^)(^o^)(^o^)
 
・・・急に元気が出てきた(^_-)。奥宮にお参りしそのて右手(東側)の方から一端下り、
登り返してご来光スポットへ駆け込み到着。なんとか間に合ったぞ〜!!
 
厳かなご来光の始まりに感激。ご来光に向かって祈る人、写真を撮る人、万歳を叫ぶ人、
ビールの吹き出す泡をうまそうに飲む人、タバコをうまそうに吸う人・・・様々だ。

    




西の方には真っ赤に染まった山肌の上に富士山測候所の白いドームがまぶしい。あれが
富士山の最高峰3,776mの頂上だ。
 
 景色を眺めてゆっくりと休憩した後、浅間神社の奥宮まで戻り今度は西側の最高峰
(観測所)への砂礫の急登に足を取られながら登る。ここは一段とすばらしい眺めだ。


    
     
                                        最高峰の富士山頂観測所

 
西の方にはすぐ前に愛鷹山(日本200名山)、その向こうに駿河湾と伊豆半島の遠望
が、ちょっと東の方へ目をやれば箱根山と芦ノ湖が見える。
 
 北西の方には八ヶ岳、常念岳、甲斐駒その向こうに北アルプスが見えているそうだが
どれがどれだかわからないのが残念だ。観測所の登りからは西方向に富士山のきれいな淡い青
紫色のシルエットがくっきり現れている・・・これがブロッケン現象なのか?初めて見る光景
に感激でした(^o^)。


            

            観測所への急登の左側に三角形の富士山の影が幻想的だった。

 
06:00噴火口を一周する元気がないのであきらめ、女房へ無事頂上へ着いたと携帯電話を
してきた道を下山する。後で知ったのですが同じ道をピストンするのでなく、御殿場口を下っ
て七合目から宝永山と宝永火口を回って新六合目へでるルートを下山すればよりバライティに
富んで良かったと後悔する。このころになると登山者もだんだん多くなってきてました。
 
08:30一気に新六合目小屋まで下山。


            
                                      
                                    新六合目より富士頂上を見る

 
 そこから宝永噴火口見物に東の方へトラバース、約10分ほどで静寂に包まれた景色
に出会う。宝永山は標高2,693m、宝永4年(1,707年)に噴火した最も新しい側火山だ。
宝永火口は3つの火口が連なっています、噴火口は赤茶けた岩肌の所や白っぽい岩がゴロゴロ
していてまるでSF映画で見る惑星の表面みたいだ。ここから富士山頂上を見上げるとグラン
ドキャニオンを思わせる岩肌がみえる。人は数人いただけ表登山道の喧噪からは考えられない
静寂の素晴らしいところでした(^_^)。


   

     宝永火口を見下ろす(左の写真)         右は宝永火口の中から富士山頂を見る。

 
10:00宝永山への寄り道ですっかり時間がたって、この時間の新五合目駐車場到着となり
ました。顔を洗い着替えをして一寝しようとしたがガンガン照りの太陽がまぶしくできない。
とりあえずレストランで食事をして滋賀の自宅目指して帰路につきました。
 
帰り道の東名高速道路からもう一度富士山を見たくって振り返ってみたが、残念ながらも
う五合目あたりから上がガスがかかり見えなくなっていました。
 
KEN