平城京を歩く
2006・12・5



 少々寒いがよいお天気なので何処かへスケッチに行こうかと考えているところへOBのSさんから電話がかかる。久しぶりになつかしい顔が見たくて参加することにする。食事会は夕方の6時、近鉄奈良駅のレストランとのこと。それまで奈良近辺のどこかを散策&スケッチしようとすぐに出かけました。



コナベ古墳の傍の水上池。
後方は奈良公園おなじみの若草山と春日山です。

 


 夕方までは十分時間があるので大和西大寺から奈良まで歩こうと決める。電車が西大寺手前に近づいたとき、今日は平城駅に臨時停車すると車内放送がある。そうだ平城から天皇陵めぐりをしようと思いつき平城駅で下車しました。

駅でこのあたりの散策地図はありませんか? と聞くと駅員さんが・・・

「世界遺産の宝庫、奈良公園。歴史ロマンの舞台、佐保・佐紀。天平の風を感じる、西ノ京。歩くたびに発見がある、古都奈良。」となが〜いタイトルのついた地図をくれました(^.^)。




奈良育ちなのにコナベ古墳・ウワナベ古墳の名前はしていたが歩くのは初めてだ・・・・
ということで、もらった地図から選んだ「平城駅から近鉄奈良駅まで」の今日歩いたルートです。結構沢山の御陵があるのに驚きました。




 平城駅からすぐ近くにある成務天皇陵は一度訪れている。御陵の池の表面にはうっすらと氷が残っている。かなり寒いが静かな気持ちのよい散歩道だ。今日は珍しくデジカメを持ってこなかったので写真はありません(^_^;)。このコースには「歴史の道」と書いた小さな道標が分岐道にあるので歩きやすかったです。

 佐紀池・平城京跡の傍を歩いて行くと大きな民家の一角を改造した歴史茶房「平城庵」という店が目に入る。ちょうど昼時なのでここでうどんをいただく。きつねうどん480円と安いのが気に入りました。お店のおばさんに、「うかっとすると見落としそうですね」と言うと「ここは風紀地区なので大きなカンバンは出せない」とのことでした。この店で「佐紀路案内」というわかりやすい御陵案内図をもらえました。ラッキー! 店を出るとすぐに平城天皇陵がある。先に進むとT字路、ここを左折して道標にしたがって磐之姫命陵に向かう。





 磐之姫命陵の散策路、落ち葉と紅葉がきれいだったのでスケッチ、誰も歩いていない静かな道は落ち葉を踏むカサカサという乾いた音が響いていました。
このあとコナベ古墳・ウワナベ古墳をの周りを歩いて国道24号線、京都へ至るJR関西線(大和路線)を横断して不退寺に向かいました。デジカメがないと情景がうまく説明できません。




南都花の古寺
真言律宗 不退寺(ふたいじ)

仁明天皇の勅願により在原業平が建立したという不退寺は木々に囲まれたこじんまりしたお寺でした。南都十五大寺の一つとして法燈盛んであったが、時代の推移とともに衰えた。
大和北部八十八ヶ所ご詠歌
「観音をただ一筋にたのみつつ
           不退の寺に急ぎまいらん」




不退寺の南門



不退寺の本堂


ここまで来てからやっと携帯電話付帯のデジカメを思い出して撮りました(^_^;)





紅葉の終わりかけて庭から本堂をスケッチ

 この本堂にはご本尊の平安初期の作という「聖観世音菩薩立像(重要文化財)」が安置されています。光背が丸いハスの花、それにリボンのような大きな鉢巻をしている姿ははじめて見る観音像でした。その他に、五大明王像(重要文化財)、不動明王・隆三世明王・軍荼利夜叉明王・金剛夜叉明王・大威徳明王の五?が完備しているのは珍しいとのこと。その中で金剛夜叉明王は特に傑出している。




 不退寺から一条通を東へ歩いて法蓮仲町交差点を左折して奈良少年刑務所を目指す。この前、コスモスの咲く般若寺へスケッチ友達ときたとき、この少年刑務所の建物が絵になるよって聞いていました。




明治時代に造られたというレンガ造りの奈良少年刑務所の正門
夕闇迫って寒くなってきたので慌ててスケッチして待ち合わせの近鉄奈良駅へいそぐ。帰り道、聖武天皇陵の前を通りもう一つのスケッチポイント、奈良女子大の明治調建物を描こうと楽しみにしていたが着いたときはすでに暗くなりかけで描くことが出来ませんでした(^_^;)。奈良は何度も来る機会があるので、またあらためて出直そう。