晩秋の湖南アルプス

2009・11・23

 久しぶりの低山歩き。自宅から車で30分ほどで行ける上桐生から、鶏冠山、天狗岩、狛坂磨崖仏コースを歩いてきました。雨上がりでしっとりした落ち葉の道、目に染み込む鮮やかな黄葉、気持ちの良い山歩きでした。





天狗岩
 天狗岩に登ってはしゃいでいる人たちが小さく見えている。湖南アルプス第一の人気スポットです。遠方には琵琶湖、その対岸には比叡山から比良山系が望める。ゆっくり休憩しながら昼食&スケッチしました。




上桐生からの竜王山
出かけるのが遅く、もう11時20分だ。



 上桐生の駐車場(有料普通車500円)からの鶏冠山です。登山口は小屋の右奥にある。



 11時25分、駐車場でハイキングマップをもらって出発。駐車場奥の林道へ入って行く。




 すぐに分岐がある。いつもは右の道から落ヶ滝経由で登っていたが、今回は初めての道、左の北谷林道で鶏冠山経由で行くことにする。





今日歩いたルートです。
スケッチ&昼食タイムをいれて約4時間半でした。





雑木林の中の林道は黄葉で色鮮やかでした。


黄葉の雑木林越しに鶏冠山が目の前に・・・




鶏冠山に向かう林道の右側にこれから行く竜王山が、天狗岩(左)が突き出ている。





12:40 やっと鶏冠山の頂上に着く。
普段は木々が茂って見通しはないが晩秋の山はある程度見渡しきき明るい。



 鶏冠山から鞍部までの下りはかなり急道だ。そこを若い自転車野郎二人が登ってきた。こんなとこ歩くのも滑りやすくて危ないのに・・・





天狗岩が迫ってくる。
雑木林の鶏冠山から下りきって、鞍部から再び登り返す。竜王山への登山道は花崗岩の奇岩が続き様変わりだ。





逆光でシルエット状になった天狗岩
岩のトップでは何人かの人影が・・・



天狗岩に登るのはパスして通りすぎる。
眺めがよいこの場所でゆっくり昼食&スケッチタイムとしました。



奇岩の露出した山肌の向こうに大津市街、琵琶湖、比叡の山並みが望める。うっすら見えているちょっとのっぽのビルは大津プリンスホテルです。



耳岩

どこから見ると耳に見えるのやら・・・・



奇岩の間を行く登山道



14:50 竜王山尾根道の分岐、白石峰に着く。
ちょっと疲れたし、時間もないので竜王山の頂上はパスして狛坂磨崖仏方面へ下ることにする。





素晴らしい展望でしょう。左から鶏冠山、中央に天狗岩、その後方に近江富士(三上山)です。
市街地は守山市と野洲市です。






重石

単純な名付けですね(^_^)。








狛坂寺跡
 狛坂寺は嵯峨天皇の弘仁年中(810〜823年)、蒲生郡狛長者の娘が金銅の観音像を檀林皇后(だんりんこうごう)に献上し、これを時の名僧願安に下賜された。願安はこの観音像を金勝寺に安置したが、女人結界の霊地のため、この地に金勝寺の別院として一寺を建立したのが狛坂寺の創立と伝えられる。創建以来金勝寺と共に繁栄したが、明治に廃寺となる。



狛坂磨崖仏(史跡)
 たて約6m、よこ約4.5mの花崗岩の磨崖面に三尊像(中央に如来像、両脇に菩薩立像)が刻まれている。作風に統一新羅彫刻の影響があり、奈良時代後期に渡来系工人による製作と考えられている。



東屋から右へ入ったところに逆さ観音が彫られた岩があります。



逆さ観音
元はこの山上にあって逆ではなかったらしい。


駐車場へ向かう林道



この右手にオランダ堰堤がある。


ヨハネス・デレーケ氏の胸像の後方がオランダ堰堤

オランダ堰堤
 昔、この一帯の森林はヒノキの美林であったが奈良時代から平安時代にかけて、寺院・仏閣の造営に大量の材木が奈良・京都に伐り出された。このため山は荒れ禿山になり、明治に至るまで大洪水がたびたび起こり、下流の人々に大きな被害を及ぼし続けた。そこで政府は明治6年「淀川水源砂防法」を制定し、淀川水系の治山治水工事に着手し、オランダから砂防工事の技術者ヨハネス・デレーケ氏を招いた。ここに現存する堰堤は明治二十二年同氏の指導の下に作られた割石積堰堤で、わが国最古のものといわれている。

ここを過ぎるとすぐ駐車場のある上桐生だ。



16:15 日影も長くなって夕日に赤く染まる出発点の上桐生の駐車場に無事到着しました。