初夏の奈良散策
(2012・5・16)



 絵仲間の個展を見に行ったついでに、奈良公園と奈良町を散策してきました。猿沢池の池畔で私と同じ「アクリル画」を描いている人に出会い、スケッチをともにしながら楽しい絵談義の一時を過ごしました。木陰の下は爽やかな初夏の風が吹いて気持ちが良かったですよ。

 今朝は気持よく晴れわたっている。気分がよいので早めに出かけました。だから近鉄奈良駅に着いたのは9時半頃。まずMIYAMAさんの個展会場「アートスペース上三条」の場所を確認しに行く。案内状には「やすらぎ通り」の率川神社(いさがわじんじゃ)の向い側とある。駅から歩いて約5分、私有地の狭い路地を入っていくとギャラリーがあった。オープン前だったが、画廊の方が”作家さんは午後1時に来場されます”と親切に教えてくれる。では、それまで奈良公園でも散策&スケッチしようと表通に戻る。



 表通りにでると。道路の向かい側の「率川神社」が目に入る。そうだお参りして行こう。奈良の生まれなので、この神社は「ゆり祭り」があることで知っている。だが一度もお祭りには縁がない。神社の由来も知らないなあ〜。



率川神社正面



本殿は三棟が並んでいる。
左は父神、右は母君、中央がお子様神となっている。
                        率川神社(いさがわじんじゃ)
 当神社は飛鳥時代、推古天皇元年(593)大三輪君白堤が勅命によっておまつり申し上げた奈良市最古の神社です。
 御祭神の媛蹈?五十鈴姫命は、初代神武天皇の皇后様で、ご聡明にして、よく内助の功をおたてになりました。全国の神社の中で皇后様を主祭神とした神社は数えるほどしかありません。
 三棟の本殿左側には父神の狭井大神、右側には母神の玉櫛姫命をお祀りし、中央にお祀りするお子様(媛蹈五十鈴姫命)を両親がよりそうようにお守りになられる姿で鎮座されることから、古くより「子守明神」とたたえられ、安産、育児、生育安全、家庭円満の神様として県内外から篤い信仰がよせられています。
                                                  (率川神社のHPより)


本殿左側にある小さな社が三社ある。
中央が阿波神社、両横に末社が祀られている


拝殿
      率川阿波神社は・・・ 
  大物主大神の御子神(恵比須神)をおまつりしています。奈良市最古の恵比須社であり,一月四日の宵戎、五日の本戎には商売繁盛を願う多くの参拝者が訪れます。 両横の末社は春日社(春日大神)と 住吉社(住吉大神)です。



 率川神社(いさがわじんじゃ)の例祭である「三枝祭(さいくさまつり)」は、「ゆりまつり」とも呼ばれ、大宝元年(701)制定の『大宝令』には、既に国家のお祭りとして定められ、大神神社(みわじんじゃ)で行われる鎮花祭(はなしずめのまつり)と共に疫病を鎮めることを祈る由緒あるお祭りです。 ご祭神である「媛蹈五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)」は百合の花が美しく咲き誇る、三輪山の麓の狭井川(さいがわ)のほとりにお住まいになっておられました。この縁故により後世、姫神様にお慶びいただくため酒樽に「笹百合の花」を飾り、お祭りが行われるようになったと伝えられています。
 笹百合は古名を「佐韋(さい)」といい、このお祭りの名前も三枝(さいくさ)の花(笹百合の花)をもっておまつりしたことによります。三枝祭は平安時代には宮中から使いが幣物(へいもつ)を供え、神馬を献上するなど非常に重んぜられましたが、いつの間にか中絶していました。この祭典が明治14年に再興され現在に至っています。(率川神社のHPより)



午後1時まで時間つぶしに裏道を歩いて奈良の繁華街へ。
近くに通っていた小学校があるのでこの辺は熟知しています。



ここは「古梅園」という有名な墨の製造販売会社の裏通りです。
表通りにでると古梅園の玄関があります(下の写真)。




古梅園のお店
「墨」という名は「染み」からなまり伝えられたものといわれています。
 我が国へは推古天皇の18年(西暦610年)高句麗の僧、曇徴が製墨法を伝えたといわれ、奈良墨は応永七年(西暦1400年)奈良興福寺で造られたのが初めで、元文4年(西暦1739年)古梅園六世 松井元泰が長崎で清人と製墨法を交流して、大いに教えられ、より一層品質のよい名墨を造るようになりました。
古梅園のHPより)



ここからすぐにある餅井殿商店街へ出て・・・
老舗の蒲鉾屋さんで「立ち食いかまぼこ」を買い、
猿沢池へ向う途中で缶ビールもかって・・・・



 池畔でいっぷく(^_^;)しながら奈良観光絵葉書みたいな構図で猿沢池と興福寺五重の塔を描く(このページTOPのスケッチ)。
そこから少しの所に強烈な色彩で南円堂を描いていた絵かきさんに出合う。私も使っているアクリル絵なので目にとまりました。



猿沢池の池畔で・・・
ご本人曰く、ほとんど絵の具を混ぜ合わさないで使っている。
まさしく強烈で鮮やかな色彩でしょう




興福寺南円堂が見える風景
 私も同じ構図でスケッチしながら、しばし絵談義をさせてもらう。奈良の王子から奈良公園へしょっちゅう通って描いているという。散歩が親しそうに声をかけてくる。奈良公園ではよく知られている有名人?でした。



 ちょうど昼になったので絵描きさんと別れて、昼食をとりに東向き商店街へ。通りに入るとすぐに「うどん専門店」の看板が…。ここで冷たい”ぶっかけうどん”をいただいた後、絵友達の個展会場を訪ねる。6年ぶりの再会、それも同じ奈良市でした。素晴らしい原画と熱心に取材されたスケッチブックを見せてもらいながら懇談。
 その後、もう一つの展覧会場へ。小学校の同級生が出品(写真の部)している「奈良県文化人協会展」を見に行く。新緑の奈良公園を歩いて奈良県文化会館へ。


冷たいぶっかけうどん
汗ばんだ身体に冷たいぶっかけうどんは本当に美味しかったです。


鹿せんべいを与えてはしゃぐ観光客
五重塔の前で・・・


興福寺南円堂



興福寺の文殊堂と五重塔


 展覧会場で待っていた同級生のT君と会って、彼の作品(ガスにけぶる春日山原始林)についての撮影話を聞きながらしばし談笑する。その後、今日の最後は家内に頼まれた「ふきん」を買いに、いつものお店へ。奈良町の『吉田蚊帳』さんだ。このお店は古い民家をお店に、創業は「大正10年」だそうです。注文した後、梱包してもらう時間待ちに下の絵をいつものように早描きしました。



「吉田蚊帳のれん」

ここは奈良町の中でも人気のスケッチポイントです。皆さんがよく
描かれている漢方薬のお店はこのスケッチでは外しています。


今日はあちこち梯子をしたのでけっこう歩き疲れる。
帰りはちょっぴり贅沢にゆったりと近鉄特急で帰宅しました。