竹内街道から二上山へ

2007・6・16



 OB仲間のK氏から絵画展(奈良県葛城市當麻文化会館)の案内が届きました。その開催場所近くに金剛・葛城山につながる二上山がある。山ガイドブックを見るとドンズル峰まで歩くコースが載っていました。気象庁の梅雨入り宣言があったが当分雨はないようなので、さっそく出かけました。



 車窓からの金剛山(写真左端)・葛城山(中央)。いわき駅近くより。残念ながら右につづく二上山が写せないまま駅に着いてしまいました。

 
 京都から近鉄線に、橿原神宮前で近鉄南大阪線に乗り換えて磐城(いわき)駅で下車する。滋賀守山からはけっこう遠い、約1時間半もかかった。

 絵画展の会場は10分弱でつく。9時のオープン前に着いたのでゆっくり見せてもらえました。なかなか実力揃いの作品がそろっていました。そこへK氏夫妻がこられ話が盛り上がって、登山出発が10:30分になってしまいました。






今日歩いたコース(赤線)です。




 現在の竹内街道は国道166号線で車の往来も多い。當麻文化会館から少し行ったところから旧道にはいる。昔の街道風景の面影が残っていました。さっそくミニスケッチブックに描く。



道は舗装されていますが、良い感じの家並みが・・・





竹内街道(旧道)






茅葺の民家も残っていました。




 民家の町並みを過ぎ、菅原神社の所で新道(国道166号線)に合流する。この道は歩道がないうえに車の往来が激しい。飛鳥の都と難波(おおさか)を結んだこの竹内街道はいまも交通の要衝のようだ。
 日本最初の官道として開かれたのがこの竹之内街道である。『日本書紀』の推古21(613)年「難波(なにわ・大阪)より京(みやこ・飛鳥)に至る大道を置く」と記されている。平安京に都が遷されたあとは、太子信仰の道、経済の道として利用され、江戸時代以降は伊勢参り、大峰参り、西国巡礼の道として賑わったという。



12:00 竹内峠の着く。
 関西線の開通する明治中期まではこの付近に旅館、峠茶屋があったらしい。



竹内峠は”うぐいすの関”とも呼ばれている。この関は明治の中ごろまで宿屋や茶店が立ち並び街道の要所としてにぎわった。


竹内峠から10分ほど大阪側(太子町)に下ると左手に二上山登山口がある。



急坂の整備された登山道脇にはアジサイがいっぱい咲いていました。途中にあった東屋で昼食した場所にササユリ一本が咲いていました。





岩屋
 奈良時代には作られていたらしい石窟寺院(遺跡)があるらしいが、アジサイ道に誘われてパスしてしまった。その少し登ったところが岩屋峠。奈良側からの登山道が合流してくる。




高内街道の登山口から約1時間で雌岳474mの頂上に着きました。



二上山の雌岳頂上から奈良側の展望(東南方向)が開けている。
  中央の小さな山は大和三山の畝傍山、右後の森は明日香の甘樫の丘、左端の小山?は耳成山です。後方の山並みは室生の山々(高見山・国見山など)だろう。



二上山(雌岳)頂上
ちょっとした広場でその中央には日時計がありました。



 南側には竹内街道をはさんで、平石峠、岩橋山、ずっと後方に金剛山、葛城山へとダイヤモンドトレール(金剛葛城自然歩道)がつづいている。



 雌岳からは北の馬の背へ一旦下り、登り返すと雄岳517mの頂上になる。ここは葛城二上山の聖域、樹木に囲まれて展望はない。



雄岳頂上の社




大津皇子の墓
頂上を通り過ぎて少し下った所にある。




さあ、次は馬の背からダイヤモンドトレール北口目指して下り、ドンズル峰を目指す。



ササユリに会うのは久しぶり・・・
頂上近くの馬の背にはたくさんのササユリが咲いていました。ちょっとピークを過ぎていましたが写真のような奇麗な花もありました。



馬の背から少し下った所にダイヤモンドトレール北口への分岐がありました。



 下ってきた長い木段の急坂です。こんな下り道が何度も出てきます。手持ちの”中高年の山ベストコース”はこちらから二上山へ登るコースが紹介されている。かなりしんどいなあ・・


展望が開けている送電線の鉄塔の場所



下り道(大阪側)から見るとあまり恰好が良くない二上山。見慣れた奈良側からの二上山と大違いだ。


 

 ダイヤモンドトレールの北口は近鉄南大阪線に沿った車道に出会ったところでした。ガイドブックにはこの車道を500mほど東へいくとドンズル峰への入口があるとある。少し歩くと近鉄線を渡る道路が分岐している。方向があっているのでこの道を行くと葡萄畑の中に入っていく。古びた道標があり進行方向は関屋駅(歩行者用)と書いてある。しかし、ドンズル峰は来た道となっている。だいぶ歩いたがドンズル峰方向に道はないが、ブドウ畑に中にドンズル峰の白い岩肌が見えている。そばに葡萄の剪定をしていた老人がいたので聞いてみると、やはりこの先に道はないという。「ここの岩肌を見たらドンズル峰を見たようなもの、このまま関屋へ行っても後悔はしないよ」話してくれたが、やはり心残り戻ることにする。

近鉄南大阪線まで戻ってしゃどう沿いに進むとドンズル峰の看板がありました。


 二上山の火山活動は今から約1600万年前の中新世中期から始まり,凝灰岩層を3回連続して堆積させている。その後の隆起によって凝灰岩が露出し、1500万年間の風化・浸食を経て奇岩群となった標高約150mの岩山。県天然記念物であり、金剛生駒紀泉国定公園の見所の一つである。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋
この地層は、二上層群(にじょうそうぐん)ドンズルボー累層(るいそう)とよばれる白色凝灰岩(ぎょうかいがん)である。地質学上貴重な存在として、昭和26年に天然記念物に指定された。

 
 ドンズル峰の中は迷い道、なんとかやっと抜け出して国道165号線にでました。新興住宅地を抜けてなんとか近鉄大阪線の関屋駅に着きました。9時前にいわき駅を出発して、関屋に着いたのが17時、良く歩いたものだ。真夏のような太陽、暑さでヘトヘト、おまけに足の裏も痛みだしてまいりました。