奥比叡の横高山、水井山縦走

標高767m、794m
(2010・12・17)
 今年の登り納め、どこにしようかと山渓の「滋賀県の山」めくっていたら横高山、水井山が目に入る。この縦走コースは以前に一度歩いているので、ぱっと目を通しただけで詳細は読まずにガイドブックをザックに詰め込んで飛び出す。新快速で山科駅へ、ここで湖西線乗り換える。比叡山から横高山、水井山へとつづく山並みを車窓から眺めながら・・・。雄琴駅を過ぎ、トンネルを抜けたら堅田駅だ。あれ!今日向かうはずの仰木峠は遠のいている。しまったスタート駅は雄琴駅だったんだ。堅田駅で下車、慌てて戻りのプラットホームへ。ラッキーなことにタイミングよく京都行の普通がホームに入ってきた。やれやれ・・・(^_^;)。




10:15 雄琴駅出発
 さあ仰木峠を目指して出発だ〜。すぐに湖西道路が見えている。直進が比叡山、仰木方面(県道315号線)です。



右手に仰木の住宅街を見ながら進む。
左端遠方が比叡山、手前は三石岳の山並みです。三石岳は以前に日吉大社から八王子山経由で歩いている。



 仰木2丁目で ”左 大原・横川”と彫られた道標に出会う。ここは見覚えがある。三石岳から横川を経由して下山したとき通ったからです。この住宅街の細い坂道を登っていく。


琵琶湖の展望
だいぶ高台へ登ってきた。





 細い路地道からバス道の仰木本通りに出て、やがて上仰木(終点)のバス停に着く。民家もまばらになり、山が近づいてくる。




 11:20 元三大師道(四季講堂)の石標に着く。左道が元三大師堂、右が仰木峠への道、この道を進むとすぐに比叡山ドライブウエイがあり、その下をくぐって直進する。



山間の林道を進むと左手に天神川が寄り添ってくる。



滝壺神社の石標
この石標の右後に石の鳥居と小さな社がありました。
 詳細な地図も持っていないし、事前のチェックもしていない。この林道が仰木峠への道だろうと推測はできるが、林道には鎖が張ってあり「この先行き止まり」と表示がある。そこで左の林道へ入ってみたが、ここにも鎖が張ってある。そのすぐ横を見ると踏み跡がある。山の印が刻印された石標もある。方向は間違いないのでトライしてみる。


 この踏み跡と石標を頼りに樹林帯の中へ入っていく。伐採枝や草木を掻き分けてどんどん進んでいく。途中で先ほどの林道が右手下に続いている。しまったと思ったが引き返すのも面倒なので前進することにする。




 薄暗い尾根と格闘して約40分が経過した頃後方に展望がかなり高いところまで登ったのだなあ・・・でもまだ峠には着かない。こんなとき単独ではちょっと心細いです(^_^;)・・・・と思いながらさらに登ると、10分ほどでしっかりした山道に飛び出した。



12:40 これが東海自然歩道だろう。傍に境界標第八五一号と刻まれた石標がある。たぶん右が仰木峠、左が水井山、比叡山方向だろう。ここで左へ進み少し行くと道標が見えてくる。

東海自然歩道と京都トレイル二つの道標

 この道標で方向が間違いなかったことを確認する。右は水井山、横高山を縦走して延暦寺へ。左へとれば東海自然歩道を経由して横川へ1.2km。

 ここまででかなり体力を消耗した。エスケープして横川へ下ろうかと考えたが、せっかくここまで苦労してきたのだからと考え直して、延暦寺目指してゆっくりゆっくり木段の続く坂道を登って行く。


京都方面の展望
冬季、葉は落ちた樹林帯でもあまりよく見えない。



13:30 やっと水井山の頂上にたどり着く。
先ほどの分岐から35分の登りりでした。疲れた〜(ーー;)



水井山から急坂を下り、登り返すと後に背後に水井山が見えてくる。



14:00 横高山頂上(767m)につく。ここでコースは左へ直角に方向転換して下っていく。



横高山からはきの根っこが続くの急な下りです。写真ではその感じが出ていないなあ・・・


急坂を下りきったところにある”せりあい地蔵”の分岐



玉体杉
 ここは比叡山延暦寺の西塔から横川まで尾根づたいに通る峰道のほぼ中間の地点。回峰行者はここで止まって、御所に向かい玉体加持(天皇のご安泰をお祈りする)をする。



尾根づたいに通る峰道
玉体杉で二人の男性に出会う。そう言えば登山道に入ってからここまでは誰にも会わなかったなあ。



釈迦堂(転法輪堂)
 西塔の本堂。一般にはご本尊の釈迦如来にちなんで釈迦堂の名で知られている。現在の釈迦堂は、延暦寺に現存する建築中最古のもので、もとは三井寺(園城寺)の金堂だったが、豊臣秀吉が文禄四年(1596)に西塔に移築したものらしい。
国重要文化財指定


大講堂
各宗派の宗祖が祀つられている。




東塔(とうどう)

延暦寺発祥の地で本堂にあたる根本中堂を中心とする区域です。延暦寺では三塔(東塔・西塔・横川)にそれぞれ中心となる仏堂があり、これを「中堂」と呼んでいます。やっと延暦寺の根本中堂に午後4時過ぎにたどりつきました。


根本中堂(本尊は薬師如来)
延暦寺最大の仏堂で総本堂です。



大比叡(848m)
萬拝堂と一隅会館の背後の比叡山の頂上に日が沈む

 ロープウエイで下山しようと思ったが、ここは倹約してもうひ頑張り、石ころだらけの荒れた本坂道を下る。一番昼の時間が短いこの時季、鬱蒼とした山道は暗くなり焦りを感じる。
 山麓近くの南善坊(阿闍梨さんのお寺)の境内に入ると一気に琵琶湖の展望が開ける。素晴らしいパノラマに疲れが吹っ飛ぶ。今日ちょっぴり千日回峰行の道を歩いた縁かな・・・





夕景の琵琶湖、長命寺山から右端の近江富士までが展望できる。






南善坊から少し下ると真下にケーブルの坂本駅が見えてくる。琵琶湖対岸には近江富士も・・・



16:30 日吉大社の鳥居が見えてきた。無事に坂本へ下山できました。あとはJR比叡山坂本駅まで

 今年最後の登り納めも無事終了できました。湖西線のJR雄琴駅から仰木峠、水井山、横高山、比叡山延暦寺と歩いてきましたが、まさか6時間半もかかるとは想像もしていませんでした。