西国第四番札所/槇尾山

施福寺(槇尾寺)
せふくじ(まきおでら)
2012・2・27(月)

 西国三十三所観音霊場めぐりをはじめたのは11年も前のことです。気が向けばスケッチや山歩きを兼ねてお参りに行くというスタイルなのでいまだに満願に至っていません。なんとか続けていると残りはわずか二ヶ寺となりました。お天気がよさそうなので運動不足解消に大阪府和泉市の西国第四番「槇尾山(施福寺)」へ出かけてきました。
 出かける前に、いつものようにネットで電車・バスの時刻を調べる。滋賀からは結構不便で時間がかかりそうだ。JR守山駅7:47発の新快速に乗り、大阪環状線の新今宮駅で南海電車に乗り換え、泉北高速鉄道の「和泉中央駅(終点)」に着く。10:07発の槇尾山口行きの南海バスに乗る予定でしたが、このバスは祭日ダイヤ、しかたなく30分まって槇尾山口へ。祭日ダイヤを見ていたのでした。よくする早とちり、乗継するオレンジバスもない。しかたなく参道入り口までの4kmの舗装路を歩くはめになる。


槇尾山口バス停から施福寺への道へ。
 結局、10:35発の槇尾山口行きのバスで終点まで行く。降りたのは私一人、巡礼姿の人も誰も歩いていない。ここから舗装道路(4km)を1時間も歩くことになりました。オレンジバスなら10分ほどのところを・・・・ということでアプローチ編が長くなります。11:10歩きだす。

ミカン畑のある集落を行く。
槇尾山はどの方角か…
山らしい姿はかなり先のようだ。



歩きだしたら粉雪混じりの風が、寒い冷た~いよ。


槇尾山・施福寺まではこんな町石がある。



民家が途絶えるとこんな風景に・・・・
参道へはこの舗装路なりに進めばよい。


 途中新しい道路の建設現場がつづく。横を流れる槇尾川も工事中でこんな姿で殺風景だなあ。
 道路に「凍結走行注意」の表示が・・・その下に只今の気温2℃と出ている。まだ小雪がちらついていて寒~い。


12:00 金剛生駒紀泉国定公園の石碑
 このすぐ先が公園になっている。ここまで来ると観光バスや自家用車などが止まっていて、けっこう人がいました。皆さんしっかり計画してきているのだ。


公園口バス停付近にあった槇尾山付近ハイキングコース(見取図)から切り取り、今日歩いた道を書き込みました。


公園を通りすぎた所からふり返る。

 「槇尾山付近ハイキングコース(見取図)」の大きな案内板がある。このときは気づかなかったが、帰宅してから見直すと「槇尾山」という山名はなく「捨身ヶ岳(578m)」となっていた。もちろんその直下の見晴らしの良い岩場の「蔵岩」も記されていませんでした。ちなみに西国三十三所第二番札所の「粉河寺」のある粉河からの道も図示されていました。



参道入り口の槇尾山バス停が見えてきた。







12:00 槇尾山バス停着
(槇尾山口バス停から50分かかりました。)


 ここから施福寺の参道となります。車は入れません。
バス停前の「槇尾山観光センター」はまるで民間の土産物屋さんみたいでした。その先の赤い鳥居は「弁財天」です。時間があったら帰りに寄ってみよう…
 
帰りはオレンジバスに乗るぞ~
⇐ ということでバスの時間をデジカメでメモする。



ここまではなだらかな上り坂でしたが参道に入るといきなり急坂になる。施福寺は参道入り口から1km(30分)と書かれていました。


仁王門

              
              施福寺 

 当山は第29代欽明天皇の勅願寺。 538年頃の創建で日本有数の古い寺です。役の小角、行基菩薩等の山岳修行の道場であり弘法大師 空海が勤操大徳について出家得度した寺とて有名です。
 
           西国第4番札所

 本尊は十一面千手千眼観世音菩薩で 御詠歌は、花山法皇のよまれた

       「深山路や檜原の松原分けゆけば
               巻の尾寺に駒ぞいさめる」

 ・・・で巻の尾とは役の行者が法華経を峯々に納経して、最後に当山に納経したので山号となっている。槙尾寺は納経の寺です・・・(公式ホームページより抜粋)


参道を行くと林間に屋敷が見えてくる。
槇尾寺の塔頭の一つだろうか・・・



参道の急道に汗をかく・・・・

きつい登りは西国三十三霊場の中で難所の一つといわれている。




展 望

ちょっと霞んでいますが
参道を20分ほど歩いた所です。
だいぶ高度があがってきました。


右手前が愛染本堂、ここを左に登っていくと
間もなく本堂に着きます。


愛染堂
空海がこの場所で剃髪、得度したという。


愛染堂から一直線にのびるこの石段を
登りきると本堂のある境内に着きます。
石段の左にある小ささお堂は弘法大師御髪堂です。


弘法大師御髪堂
本堂への石段途中にある。
剃髪した大師の髪がおさめられているという。
12:40 やっと本堂のある境内に到着しました。

施福寺の御朱印


西国三十三観音堂
境内にある小さなお堂の前に
一分咲きの紅梅に春を感じる。



施福寺の本堂正面





本堂境内にある茶店「ゆたか茶屋」前からの岩湧山です。
左へ目を写すと葛城山、金剛山が展望できるが位置関係がもっとよくわかるので、
この後に登った「蔵岩」からの写真をご覧ください。





ゆたか茶屋
うどんの看板につられてお店に入る。暖かい茶店でうどんをいただきながら、気さくな茶店のご主人から、ここから歩けるダイヤモンドトレールのことや槇尾山のことなどいろいろ情報を得る。槇尾山の山頂が近いから行きたいと言うと、道標もないし迷いやすいからと話してくれる。その話を聞いて店内にいた山歩きの人が槇尾山の頂上直下に展望のよい「蔵岩」と行く場所があるからと分岐道まで案内してくれました。この写真の奥へつづく道を行くと・・・・廃屋(右の写真)の前にでました。
 廃屋に向かって左に行くとダイヤモンドトレール、三国山へ行く道。右手に槇尾山への道があるよと案内してくれました。

 この「ゆたか茶屋」のご主人は毎日、うどんなどの材料等を担いで毎日参道を登ってくるという。すごいことだと敬服する。今日は月曜、火曜日が定休日なのでラッキーな出合でした。 


廃屋の後方にに見えている(左)が槇尾山頂上
 蔵岩へは廃屋の前を左下へ少し下って廃屋の石垣に沿って奥に入って行く。そこから 建物の間を抜けて山道へ(下の写真)。

槇尾山目指して歩いた山道
 蔵岩への道に入ってすぐに左手に登っていく道があり、「捨身ヶ岳」とある。ここは違うだろうと直進する。槇尾山の案内は何処にもないが道なりに進んでいくと壊れた貯水池の前を通って少し行くと登り口がありました。ここからは木の根がむき出しになっている急坂です。ロープが張られた急坂を登りきると展望が開けた蔵岩にたどり着きました。


蔵岩からの槇尾山頂上

 この岩場ではロッククライミングができるそうです。
ここから見る限り槇尾山頂上は樹林におおわれている。登っても展望がないと推測、今回はここから引き返すことにしました。


蔵岩からの展望
白く光っていてるラインが関空だろう。
ちょっと霞んでいた残念。


蔵岩からの展望
霞んでいるが大阪湾から六甲の山並みだろう
明石海峡大橋は残念ながら確認できなかった。



蔵岩からのダイヤモンドトレールの展望

最後方左端の葛城山から金剛山のなだらかな峰に続いて、右端のピークが岩湧山です。
この山並み歩きは「ダイヤモンドトレール」として山歩きの人たちに人気のコースです。
施福寺境内が出発地点になっています。
何時か行きたいけど、一人歩きでは心細いなあ・・・・



展望を満喫して、施福寺までもどり、一気に下山する。


満願滝
かなり落差があり、岩肌滑るように
滝水が流れ落ちている。


オレンジバス(マイコロバス)が到着する。

 15:28発のオレンジバスを待つためにバス停傍にある弁財天、その奥にある満願滝、満願寺などを散策して時間つぶし・・・・



 帰りはオレンジバスのおかげで、往路1時間もかかった道をわづか10分で下る。槇尾中学前で南海バスに乗り換え快適に和泉中央駅に到着しました。言い訳ですが、予定通りにいかないのもハプニングやいろいろな出会いやがあって面白いですよ(笑い)。