鎌刃城跡敗退して旧中山道歩く

2005・4・26

史跡めぐりシリーズ

時々お邪魔する近江富士の八田先生宅で「宿場散策・近江中山道絵巻1」柏原〜高宮編のパンフレットを見せてもらって鎌刃城跡のことを思い出しました。
 さっそく戦国のはざ間(信長、秀吉、浅井氏、六角氏、京極氏の間)で揺れ動いた米原町番場宿の鎌刃城跡に登る予定で出かけましたが・・・



JR米原駅から車の往来の激しい国道8号を北進する。約700mで右折して県道に入る。緩やかな坂道を行く低い峠道になっていて、米原高校グランドを過ぎるとやがて道は緩やかな下りになり番場宿に向かう。道横の雑木林の中に可憐なピンク色のイワカガミが咲いている。



イワカガミが咲いていた番場宿への県道を振り返る。この道で突然の雨、すぐに止んだがいやな予感がする・・・



緩やかな峠を越えると番場宿が見えてきた。民家が並ぶその後ろに今日の目的地・鎌刃城跡のある低山が見える。




米原駅から約1時間の歩きで、旧中山道・番場宿の一里塚につきました。





右折して旧中山道を西番場へ向かう。
すぐに「北条仲時及び諸士墳墓の碑」が建っている蓮華寺への道(左)に出合う。パンフレットにも記載されているお寺なのでちょっと立ち寄ることにする。



蓮華寺の勅旨門


本堂
寺伝によると聖徳太子の建立で、もとは法隆寺と称したが、一向上人が土地の豪族の帰依を受けて再興し、蓮華寺と改称したといわれている。

 元弘三年(1333年)、元弘の変がおき、京都の六波羅探題北条仲時は戦に破れ、光厳天皇、後伏見上皇、花園上皇を奉じて京都を脱出し鎌倉に向かうが、この番場の地で北条仲時と従士四百三十二名はこの蓮華寺で自刃した。その過去帳と銅鐘は国の重要文化財に指定されている。

 この元弘三年(1333)は新田義貞が鎌倉幕府を倒し、以来、新田義貞(南朝)と足利尊氏(北朝)が敵味方に分かれて、天皇同士の戦いの形になっていった・・・・その後、南北朝廷の合一なったのが元中9年(1392)で、この間約七十年の歳月をかけての戦いの記録が『太平記』に記されている。






再び旧中山道を歩いていくと鎌刃城跡への道標と案内板がある。ここで突然空が暗くなり5mmくらいの大きな雹(ひょう)がバラバラと音を立てて降ってきた。


鎌刃城跡への登山口が3ルートある
どこから登ろうと迷っていたら地元の人が声をかけてくれました。米原町教育委員会編の詳しいパンフレットと殿屋敷とある場所からの登山口を教えてもらう。入り口は民家の間の狭い道なので注意が必要。民家の後ろは畑になり、すぐに名神高速の下をくぐる。



名神高速をくぐると小さな池があり、道は樹林に入っていく。


地図どおりいくと山道はこんな状態になる。

歩きにくい上に土砂降りの雨、しばらく雨宿りしていたが止みそうにないのでギブアップ、今日は鳥居本方面への旧中山道歩きに変更する。

旧中山道は名神高速道路に沿って小摺針峠へと登っていく。


鎌刃城跡方面を振り返って写す




小摺針峠を越えて振り返り写す。まだ咲いている山桜が雨にぬれて綺麗でした。



やがて道は三叉路になる。ここには石標があり、来た道は「番場 醒井」、直進は「中山 鳥居本」、右折の旧中山道方面は「摺針峠 彦根」とあった。

 
摺針峠

「近江國輿地志略」によると、「古昔一学生ありて、京師に学、半途にして去って此地を過に、老嫗の鉄斧をするにあへり。学生何の為に斧を磨やと問ば、老嫗こたふるに、此鉄を磨て鍼(はり)とせんと云。学生驚て我志のたらざることを恥、亦京師に行て学び業を立たり。是よりして、此巓を磨鍼巓と云とはいへり。」とある。この学生こそ若いころの弘法大師であったとし、摺針峠が弘法大師の縁の地とされる由縁である。

 峠には本陣構えの大きな茶屋があり、旅人はここで眼下の琵琶湖の景色を楽しみながら「するはり餅」を食べて休憩したらしいが・・・
今日の雨模様では景色を楽しむ余裕はなかった
 鳥居本宿

 摺針峠を下ると国道8号に出合う、少しの歩きで鳥居本宿だ。江戸から数えて中山道六十七番目に当たる旧宿場町です。

右の写真は「万病に効くといわれる道中薬」を江戸時代から製造販売している
有川家の「赤玉 神教丸」

 いつものようにスケッチしたいがこの雨風では無理だなあ・・・


道中合羽を製造販売していたお店(左)とそのお店の軒先にあった古い看板「本家 合羽所」木綿屋と読めたが主の名前は読みとれなかった。



鳥居本駅舎


彦根行きの電車が入ってくる
 雨は一向に止まない、安物の携帯の折り畳み傘は風雨で破損、スニーカーはずぶ濡れ。今日の歩きは鳥居本宿で終了としました。近江鉄道の鳥居本駅は無人駅で彦根行きの電車には30分以上の待ち時間がある。風雨を避けてプラットホームの待合所で遅い昼食をとりました。

近いうちに鎌刃城跡にリベンジしよう・・・