船岡山から箕作山、太郎坊山

巨岩の露頭する信仰の山

2002・4・29

八日市市指定文化財「船岡山」
蒲生野がどこかについては定かではない。安土町内野、八日市野口町・市部町に「蒲生野」「蒲生野口」「少蒲生野」などの小字名が残ることから、この地域を見下ろす丘陵地であるこの船岡山に万葉碑が建立された。
このまえ登った繖山の東にある山が箕作山だ。南側の一角をなす太郎坊山の山容が気にいり一度登りたいと前から思っていました。その中腹にある太郎坊宮は「太郎坊さん」で親しまれていて「勝運授福」で遠くからの参拝者も多い。ここには何度もお参りに行っています。
 今日は、山渓分県登山ガイド「滋賀の山」の箕作山のコースを歩く予定です。低山ながら登山道は特に整備されていない、稜線上はふみ跡程度でブッシュがち。ヤブ山に慣れたグループ登山に勧められるコースとある。一人ではちょっと心細いがトライしました。
JR近江八幡駅で近江鉄道に乗り換え市辺駅(いちのべえき)で下車する。
単線なので離合待ちがある。前方窓から対抗する電車を写す。
岩戸山(十三仏)
「飛鳥時代(約1,300年前)聖徳太子がこの山の南裏に瓦屋寺を建てられた時、同じ山並みの向こうの岩戸山に、金色の光を発する不思議な岩を見つけられた、太子はこれは仏のお導きと思われてこの岩までたどり着かれ、仏像を彫ろうとされたが道具を持ってこなかった。そこで自らの爪で十三体の仏を刻まれた。」という言い伝えがある。
船岡山の入口、阿賀神社
左から岩戸山、箕作山、太郎坊山
今日の登山口は市辺駅から西へ、阿賀神社からだ。
船岡山を後に岩戸山に向かう
岩戸山(十三仏)登山口
瓦屋寺
寺伝によると聖徳太子が四天王寺建立に際し山麓の土を採って瓦十万八千枚を焼かせてその用に供した後この地に一寺を建立し瓦屋寺と号したのが始まり。
登山道は急な石段が続く、その横には沢山の石像が並んでいる。信仰の山独特の雰囲気を感じる。
登山道のアプローチ
右:十三仏を制作した聖徳太子石像。どれが磨崖仏か見落としてしまいました(^_^;)
十三仏のすぐ上に露岩の見晴らしがいい岩戸山の頂上だ。雪野山が見える。
稜線を行くと三等三角点についたが、ここは展望がない。このあと尾根歩きがつづき、やがて箕作山の頂上にでました。やはりここも展望はないので先を急ぐことにする。やがて箕作城跡への分岐にでた、どんなところか見たくて進んでみましたが途中道が荒れていて断念、分岐まで登り返す。
近江鉄道八日市駅駅舎の後ろに太郎坊山が見えている。
太郎坊山と中国風の太郎坊宮の建物(中腹)。なんとなくこの風景の雰囲気が好きです。
太郎坊宮への石段
石の鳥居と太郎坊山
瓦屋寺と箕作城跡への分岐
太郎坊山と瓦屋寺への分岐
左の分岐を進行方向に直進して少し下ると尾根道から左へ下る道があり、そこの木の枝に白い布がついている。その方向に行くと左手に墓地のような気配が、ガイドブックにある(墓地を横切ると瓦屋寺とある)という指示通り行くと本殿の上に出ました。
三等三角点からは踏み跡程度、注意するように山渓ガイドブックに書いてあったが実際はしっかりした道で木々には赤やピンクのテープが結んであり迷うことなく進めました。
(私の持っている本は1995年発行の初版です。)
瓦屋寺から再び分岐まで戻り太郎坊山に向かう。

 太郎坊山の頂上は360度の素晴らしい展望が開ける。頂上は岩の塊。ゆっくり景色を眺めながら大休止をとる。

 写真は船岡山から岩戸山と歩いてきたルートが見渡せる。低山歩きだがなかなか歩き応えがあっていいハイキングコースですよ。
 太郎坊山から下山、どこに出るのかと思ったら、いつも参拝で登っいる参道(石段)の手洗い水の後ろに出た(写真右上の写真です)。

 ここから石段をほんのひと登りすると巨大な岩のまえにでる(中央の写真)。人一人がやっと通れる岩と岩との間を抜けると展望のできる舞台にでる。そこには太郎坊宮の小さな本殿がある。お参りを済ませて一気に石段を駆け下りました。
手洗い水の社
岩壁に張り付くように建っている太郎坊宮
石段の向こうに巨大な岩が見えている
帰りは太郎坊の山を見ながら八日市駅まで歩きました。