史跡訪ねて東寺から伏見へ
2009・1・28

  OB会の打合会のときMさんがこんな近鉄のハイキングに参加してきたよと教えてくれた。その案内パンフレットのタイトル(酒蔵と史跡を訪ねるハイキング)に興味をそそられて、一番手近な下記のコース「京都・東寺から清酒の町・伏見まで」をさっそく歩いてきました。案内には訪問するポイントだけしか記載されていないので、京都駅の観光案内所でもらった「京都まち歩きマップ KYOTO MAP for Tourist」をもって自分流に探訪してきました。

 私は近鉄線には乗らずに、JR京都駅から歩いて東寺に向かいました。左下のルート図の赤いラインが歩いたコースです。




赤いラインが今日歩いたコースです。

・・・・ 近鉄パンフレットより転載(参考) ・・・

平成21年1月31日予定されているコース

 近鉄・東寺駅出発・・・教王護国寺(東寺)・・・羅城門跡・・・西寺跡・・・吉祥院天満宮・・・城南宮・・・伏見港公園・・・長建寺・・・伏見銘酒協同組合・・・伏見桃山御陵前駅
(徒歩約15キロ)
酒造特典:甘酒のふるまいあり

※参加条件:無料&予約不要(雨天決行・荒天中止)

お問い合わせ 近鉄大阪イベント係り
06-6775-3566



東寺(教王護国寺)の東門

 東寺は以前に九条通りの南大門から入ってスケッチしたぐらいで、ゆっくり境内を散策&仏像拝観したのは今回が初めてです。普段は奈良へ向かう近鉄の車窓からひときわ目立つ京都のシンボル・五重塔を眺めています。

今回は国宝・五重塔(初層内部)が公開されているというので拝観しました。



東寺東門を入ったところから五重塔をスケッチしました。






雰囲気のある講堂(裏側から)
重文・室町時代
 東寺の創建時にはなかった。天長二年(825)弘法大師によって着工され、承和二年(835)頃完成した。土一揆による戦火で焼失、現在の講堂は延徳三年(1491)に再興された建物です。

「講堂立体曼荼羅」
 大日如来を中心に五智如来、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、帝釈天の二十一軀の仏像が安置されている。



五重塔の側から見た東寺の境内
左端が国宝・金堂、その横の屋根が講堂です。

 金堂は東寺一山の本堂で延暦十五年(796)の創建と伝えられている。今の金堂は焼失した後豊臣秀頼が発願し、片桐且元を奉行に再興(慶長八年・1603)させたもの。桃山時代の代表的な建物です。
薬師三尊(薬師如来・日光・月光菩薩)と十二神将像がある。






国宝・五重塔

東寺の象徴として広く知られている。
天長三年(826)弘法大師の創建着手にはじまるが、焼失すること4回。現在は五代目で、寛永二十一年(1644・江戸時代)徳川家光の寄進によって竣工した高さ55mの現存する日本の古塔中最高の塔です。
内部は心柱を大日如来に見立て、その周囲の須弥壇上(しゅみだん)に4体の如来の金剛界四仏と八大菩薩が安置されている。特別公開ということで、初層見学は解説の方が五重塔の歴史やぼれ話がとても面白く聞き入ってしまいました。





羅城門跡

 平安京のメインストリート(朱雀大路)と九条通りの交差点に、平安京の正面として羅城門が建てられていた。この門は平安京の正面玄関であるとともに凱旋門でもあった。しかし、平安中期、右京の衰え、社会の乱れとともにこの門も次第に荒廃し、盗賊のすみかとなり、数々の奇談をを生んだ。芥川龍之介の小説を映画化した「羅城門」は、この門の名を世界的に有名にした。しかし今は礎石もなく、わずかに標石(明治二十八年建立)を残すのみである。・・・・京都市の案内板から抜粋






吉祥院天満宮

祭神として菅原道真を祀り、洛陽天満宮二十五社の一つ。社伝によれば、道真の祖父清公が、邸内に一宇を建立し、吉祥院と名付け菅原家の氏寺としたのが起こり。吉祥院は道真誕生地として有名。



西高瀬川に橋から

吉祥院天満宮から西高瀬川に沿って名神京都南インターの側にある城南宮を目指す。インター近くにある目印のNTTのビルが見えてくる。







鴨川に架かる鳥羽大橋(名神高速インター手前)から上流方面を撮る。



鳥羽大橋の石の欄干と鴨川の看板
名神のガード下をくぐるとすぐに城南宮だ。







城南宮の境内

 起源は古く平安遷都の頃に遡る。京の南に位置し、裏鬼門に当たり方除け神として市民には知られている。最近では交通安全、建築の神様として多くの参拝者がある。

城南宮の境内の建物内にあった鳥羽離宮遺跡展示
この展示を見るまでまったく知りませんでした。



鳥羽離宮遺跡復元配置図

 12世紀から14世紀頃まで代々の上皇により使用されていた院御所。鳥羽殿・城南離宮とも呼ばれる。
 この辺りの地は平安後期白河天皇が藤原摂関家の影響を避けるため広大な宮殿を建て院政を執り行ったところで、当時は広大な池のある庭園や政庁が立ち並んでいた。城南宮もその敷地内に取り込まれ鎮守社として祭られていた。復元配置図の中央の赤丸の位置。
鳥羽離宮は南北朝時代の戦火によって、多くの建物が焼失し、その後急速に荒廃していった。





ふらっと立ち寄った京セラ美術館。



京セラ株本社ビル
京セラ美術館は1998年10月に新本社ビルの一階に開館。主な収蔵品は、乾隆ガラス、ピカソの銅版画347シリーズ、現代日本画、洋画、彫刻、ファインセラミック茶器等です。入場は受付で名前を記入するだけで無料です。



 京セラ本社ビルを出ると、隣のビル窓に芸術的な建物が写っている。面白い形なので写しました。


 京セラ美術館の前の広い通りは油小路通り、その上に高架の真新しい阪神高速8号京都線が走っている。しばらく歩いて油小路・丹波橋の交差点を丹波橋方面(左折)へ。少し歩くと新高瀬川に出合う。この堤防沿いに伏見の町へ向かって歩く。やがて見慣れた伏見の酒蔵・松本酒造建物が見えてくる。ゆっくり東寺を拝観、京セラ美術館にも立ち寄ったりで、やっと伏見にたどり着きました。



新高瀬川沿いの松本酒造






松本酒造



おなじみ清酒メーカー・黄桜のカッパカントリー



月桂冠の旧本社建物の横を行く。どこでも絵になるスポットだが・・・・





月桂冠の旧本社
いまは利き酒もできて、各酒造メーカーのお酒や土産も販売している「伏見夢百衆」というお店になっています。
スケッチはどこえやら、さっそく利き酒を注文(*^_^*)




伏見夢百衆のきき酒メニュー




まったリセットを注文・・・・
 アルコール類はなんでも好きですが、日本酒のきき酒してもまったくのオンチです。どのお酒がどうだとのうんちくは・・・・(^_^;)。ぜひ現地であじわってくださいね。



伏見夢百衆の店内



伏見十八蔵元ポスター

 酒蔵の中にお店を出して、お酒に合う鶏料理で人気の「鳥せい」。その横には伏見の名水「白菊水」はいつも名水を汲む人で行列が出来ています。

伏見の清酒「神聖」
 清酒「神聖」を醸す、(株)山本本家は、初代源兵衛が、江戸時代初期 延宝5年(1677)四代将軍 家綱の時代伏見の地において商いを興しました。

  近鉄のコース案内にはこの蔵元が紹介されていましたが、すでに利き酒でほろ酔い気分、そのままパスして近鉄・桃山御陵前駅へ。コースにあった西寺跡はみおとしてしまいました。また城南具への途中にあった京セラビルで予定外の美術鑑賞が出来ました。それに城南宮は鳥羽離宮遺跡の真ん中だったことも知りました。
いつも一人歩き、日中は摂氏16度、汗ばむほどの小春日和にめぐまれ今回も勝手気ままな散策を楽しみました。