当尾の里の石仏とお寺訪ねて

京都府相楽郡加茂町
(2005・8・31)

当尾「とーの」と地元では呼びます。
この辺りには、浄瑠璃寺、岩船寺、東小随願寺の三重の塔、十三重石塔(岩船寺、千日墓地)五輪塔など、沢山の塔がありました。
「塔のある尾根」から、初めは「塔尾」とされていたそうです。
・・・・浄瑠璃寺門前にある「あ志び乃店」のHPより転載させていただきました。


OBハイキング会のU先輩と幹事のO君と秋の候補地の相談を電話でしていて、いつものように急に思いつき加茂町の浄瑠璃寺へ昼前あわただしく出かけました。降水確率30%、うまくいけばスケッチもできるし一石二鳥だ。滋賀から瀬田川沿いに走り、宇治田原から山越えの細い道でお茶の産地和束町へでました。163号にでて木津川にかかる恭仁大橋(くに)を渡ると加茂駅に出る。
このあたりは聖武天皇が平城京から遷都した「恭仁京」くにきょう)跡や、天平7年(735)、聖武天皇の願いにより東大寺の良弁僧正が開創したと伝えられる瓶原地区の山の中腹には海住山寺がある。目的地をあれこれ迷いながら、けっきょく当尾の里の浄瑠璃寺に向かいました。

 


浄瑠璃寺前のバス停&駐車場

 JR加茂駅で関西本線の踏切を渡り道なりに走ると岩船寺への道標がある。そこを通過して進むと今度は浄瑠璃寺への案内がある。後は道なりに行くと浄瑠璃寺前の駐車場に着きました。浄瑠璃寺は奈良にいる頃何度か訪れていましたが石仏めぐりは初めてです。(13:00着)

当 尾(とおの)

 当尾地域は奈良の興福寺の別所として、寺院や多数の石仏が造立されるなど、仏教文化の花開いた地域です。優れた自然環境がよく保存されています。
 


駐車場から浄瑠璃寺への細い道
 正面突き当りが入り口。
まず昼食と思ったがこの右手のお店はウイークデイなのかお休み






「あ志び乃店」

 浄瑠璃寺入り口に向かい少し歩くと左手にお店が、ラッキーなことに営業中でした。昼食をいただきながら当尾の石仏めぐりについて情報を得る。「当尾の石仏」(100円)のパンフレット買い歩くルートをチェック。




一つり100円でもう秋の味覚柿が・・・



歩いたコースのGPS軌跡です。




13:30 まずは浄瑠璃寺へ



浄瑠璃寺の山門



国宝の三重塔


本堂の九体阿弥陀堂
ここ浄瑠璃寺も別所の一つとして創建されたもので、池を挟んで東西に国宝の三重塔と九体阿弥陀堂が建ち、中央の苑池は平安時代後期の浄土式庭園で、州浜敷きの中島や玉石敷きの出島などが復元されています。本堂の九体阿弥陀堂は、平安時代後期の建立で、現存する九体阿弥陀堂建築の唯一の遺例です。庭園は特別名勝及び史跡に指定されています。

時間がないため今日は浄瑠璃寺はのぞいて写真を撮らせてもらっただけで拝観せず(^_^;)
そそくさと石仏めぐりに出発しました。



舗装道路を岩船寺に向かって少し下り坂を歩く
直進すると舗装路で岩山寺へ通じる。石仏めぐりは右折する。







分岐までに右手の樹林の中をのぞくと「藪の中三仏磨崖像」が・・・
左:阿弥陀仏座像
右:地蔵菩薩と観世音菩薩立像



車道と石仏めぐりの分岐、小高い正面の山は岩船寺の山か・・・


石仏めぐりの道を振り返る。



春日神社を過ぎた分岐には阿弥陀地蔵磨崖物
ここは古くからの分岐で「からすのつぼ」と呼ばれている。



阿弥陀地蔵の道標と石仏が掘られている雑草に覆われた岩




岩船寺に向かって進む鬱蒼とした暗い登り道
今にも雨が降りそうで湿度100%蒸し暑い上に藪蚊が群がってくる(ーー;)



わらい仏の少し手前に左の山側に登る苔むした石段がある。この先に不動明王立像があるというので寄り道をする。




等身大の不動明王立像


不動明王を拝んでもとの道に引き返してわらい仏へ



わらい仏(阿弥陀三尊像:永仁七年)
合掌した勢至の両菩薩を従えた阿弥陀仏
当尾の石仏の中でも最も知られた石仏の一つ
永仁7年(1299)とあるが風蝕もない。



もうすぐ折り返しのミロクの辻(岩船寺南口)だ。
だいぶ高所に来ました。振り返ってみたがあいにくの小雨模様の天気で、遠くにうっすらと山並みが見えるだけでした。



弥勒仏線彫磨崖像(ミロクの辻)

奈良から笠置への古道に面しています。私のデジカメ技術ではこんな状態にしか写っていない(^_^;)



三体地蔵
ミロクの辻から車道でも岩船寺へ行けるが、細い山道で三体地蔵を拝んで岩船寺に行きました。



岩船寺への細い山道を登っていく。

上りきって下りになると民家が見えてくる。再び舗装道路に出たら岩船寺だ。



岩船寺の門前の野菜の無人販売店



岩船寺
堂塔も再度の兵火により、現在は本堂と三重の塔のみ。


山門から三重塔を写す。

雨も降り出してきたので拝観せずに浄瑠璃寺へ急ぐことにする。



岩船寺バス停と道標






岩船の集落をあとにする。ここからはやっと下り坂



やっと石仏めぐりの分岐に帰ってきました。
岩船寺方面を振り返って写す。

小雨の中の石仏めぐりだったのでゆっくりできませんでした。ラッキーなことに駐車場に着くと同時に土砂降りの雨になりました。またゆっくりと散策したい当尾の里歩きでした。