青春18キップで広島へ
二日目の旅日記
(広島県)
2014・3・23(日)〜24(月)

 昨日は宮島・弥山の山歩きで疲れていたはずなのに、早朝4時に目が覚める。昨夜、午前中は呉市へ行こうと決めたので素早く身支度をして、まだ暗い5時過ぎにホテルを出発する。まずは広島駅へいって呉行きの列車を確認しよう。駅に着いたらシャッターが下りている。それでも何人かの人が待っていました。5:30シャッターが開いて営業開始、列車時刻を確認すると5:44発の広行(呉線)があった。呉についてはむかし日本海軍の軍港があったことくらいしか知らない。持参した「広島・宮島」観光ガイドブックには呉について「かって軍港として栄えた町で、戦艦「大和」をはじめ数多くの軍艦を送り出した。現在も旧海軍にまつわるスポットが点在するほか、港には海上自衛隊の潜水艦なども停泊し、独特の景観がみられる。旧海軍のレシピを復元した海軍グルメもぜひ」とある。初めて訪問する町は興奮気味でドキドキ、どんな一日になるか楽しみだ。



 早朝の6時半に呉駅に降り立つ。もちろん、駅前の「くれ観光情報プラザ」、「大和ミュージアム」、「鉄のくじら館」は開館していません。しかたなく駅からすぐにある中央桟橋まで歩いてみることにしました。



実物の潜水艦「あきしお」
 町中にいきなり巨大な潜水艦が・・・。陸上に上がっている潜水艦を見たのは初めてだ。艦内を見学ができるが早すぎて残念。長さは76m(ジャンボジェット機並み)、高さ16m(5階建てビル並み)とか。


中央桟橋手前にあったお洒落なカフェ
マドロス人形がいいなあ。朝食にありつけると思ったが、ここももちろんオープンしていない(^_^;)。





ピンク色に染まる早朝の呉港
なにか不思議な広い木目のフロアー
いったい何なの?




この案内板で、
このフロアーの正体がわかりました。


 このフロアーは戦艦大和の前甲板で、艦橋から船首までの左半分を実物大で表現しているものでした。大和は昭和16年(1941)12月16日、呉海軍工廠で竣工したと書かれていました。奇しくも私と同じ年で親近感が増す。連合艦隊の旗艦でしたが、昭和20年(1945)4月沖縄へ出撃し、九州南西沖で米軍の攻撃を受け沈没しました。この「戦艦大和」を1/10サイズで忠実に再現したものがる「大和ミュージアム」で見られるのだが、開館は9時ということで見れないと思っていました。だが、建物の裏側に回るとウインドウ越しに見ることができました。





ミュージアム館内に展示されている1/10サイズの「戦艦大和」
建物の外から、しかも照明も付いていないので、こんな写真しか撮れない。
入館料なしのただ撮りだから仕方ないですね(^_^;)。



 午前中はこの呉で旧海軍ゆかりの施設をスケッチして回る予定でしたが、中央桟橋を散策していてたら、ちょうど高速船が入ってきました。何処から来たのかなと思ったら、江田島からでした。この名前を聞いて、急に旧海軍兵学校が見たくなって7:09発の江田島(小用港)行きに飛び乗ってしまいました(^_^;)。



江田島へ向かう高速船から見えた海上自衛隊の艦船です。






10分ほどで江田島(小用港)に着きました。
小用港は”こよう”と読むそうです。
 船着き場の売店が空いていたのでやっとサンドイッチと暖かい紅茶を買えた。その売店のお姉さんに2時間ほどで旧海軍兵学校へは行けるかと聞いたら、峠越えで約20分ほどで歩けるよ。道は一本道だから迷うことはないと親切に教えてくれました。

 そこへ凛々しい制服姿の女性海上自衛官が現れる。さすが軍隊(海上自衛隊)のある島なんだなあと感じました。売店のお姉さんは女性海上自衛官のことを”ウェーブ”さんと呼ぶんだよと教えてくれる。聞いたことのない呼び名だ。
 
 帰宅してから調べたら「自衛隊採用ガイド」のHPで見つかりました。
「自衛隊関連の話題でワックとかウェーブとかワッフとか聞きますがあれはいったい何でしょう?実はそれぞれ、「WAC=女性陸上自衛官」「WAVE=女性海上自衛官」「WAF=女性航空自衛官」を表し「WAC=Women's Army Corps」「WAVE=Woman Accepted for Volunteer Emergency Service」「WAF=Woman in the Air Fouce」となりそれぞれの略語です。 男性自衛官についてはWACのような略称が決まっていないようです。」
とありました。(余談が長くなりすみません)



旧海軍兵学校(現海上自衛隊)へは峠越えをして行く。



峠道の高台から朝焼けの小用港を振り返って見ると
対岸に靄にかかった呉港と呉市街が見える。




旧海軍兵学校へ向かう途中の峠に着くと、江田島湾が見えてきました。



 写真中央の茶色の建物が海上自衛隊だろう。江田島湾の風景を眺めながら、先ほど小用港で買ったサンドイッチをほうばる。このあとこの建物に向かって下って行く。




小高い所から望む古鷹山(394m)
 旧兵学校の学生が鍛錬のため登った聞きました。山を見ていると、登りたくなってくる。そんなことをしていたら午後の広島市内散策ができなくなるのであきらめよう。





 見学できないのを気の毒に感じたのか要望に応じてポーズをとってくれました(^_^)。
 8:30 江田島海上自衛隊の正面ゲートに着く。奥に見えているのが先ほど峠から見下ろしていた建物でした。

 ゲートで見学&スケッチをしたいと申し込んだら、旧海軍兵学校の定期見学は時間が決まっていて、平日は10時30分からだといわれる。昼から広島の原爆ドームを描く予定があるので、なんとかならないかと粘ったが、気の毒ですが規則は曲げられないと言われる。ぜひ見学したかったが後2時間も待っていたら、広島へ来た目的が果たせない。残念ながら正面ゲートでスケッチして引き返すことにしました。

 ゲートで親切に対応してくれた自衛官が、「江田島にある”近代化遺産”」というガイド(発行:江田島町観光協会)をくれました。見ると写真とマップつきで木造の美しい洋館「旧海軍兵学校の下士卒集会所(明治期)」、みかげ石で造られた「旧海軍兵学校の大講堂(大正6年)」、赤レンガ造りの旧海軍兵学校の理化学講堂(明治37年)」、これも赤レンガ造りの「旧海軍兵学校の生徒館(明治26年)」など魅力いっぱいの建物が紹介されていました。思いつきでの訪問なのでこんな失敗はちょこちょこあります(^_^;)。残念だけどあきらめざるをえない。





江田島海上自衛隊の正門
見学できないと知って、気分が落ち込んでいたのか、
ぱっとしない絵になってしまいました。




 次の予定は本命の広島市内だ。出発前に小用港で調べておいた9:50発の広島行(宇品港)高速船に乗り遅れないように、急いで小用港へ戻ろう。



約20分の快適な船旅で宇品港(広島)に着く。


乗ってきた高速船が江田島に戻って行く。



 宇品港ターミナルを出たところに、タイミング良く広島駅行きのモダンな電車が待っていました。広島駅まで時間は30分ほどかかるようだが料金150円は安いなあ。




宇品駅



広島駅で原爆ドームへ行く車両に乗り換える。



車窓からの眺め
広島駅近くの荒神橋から東南方向を写す。



広電本線の走る広島市のメイン相生通り
原爆ドームへ向かう



原爆ドーム前で下車すると、すぐドームがあり、観光客がいっぱい。
 外国人観光客も大勢訪れている。電車を降りて原爆ドームとの最初の出会い、このアングルが気にいって瞬時にここから描こうと座り込みました。




原爆ドーム
 この位置からはドームに圧倒されてF6では入りきらない。それに複雑な構造なのでいつものように立ったままでの早描きは無理。座り込んでじっくり描こう。用紙は目障りだがスケッチブックを見開いて2ページに描きました。外人さんや、若い女性グループなど、いろんな人が覗きこんだり、話しかけたり、写真を撮ったり賑やかだ。おまけに前で立ち止まってドームを見る人、写真を撮る人、横切る人達で、なかなか絵が進まない。広島、いえ世界の「平和のシンボル」だからしかたないことですね。まあ、この一枚が描けたので、後は気楽に散策できそうだ。





一枚目のスケッチ(上の絵)位置です。



相生橋から写す。



これはスケッチ位置を変えて描いた二枚目の原爆ドームです。




元安川と原爆ドーム
相生通りに架かる相生橋から描きましたが、
先のスケッチでけっこう疲れていて雑な絵になりました。



気がつけばもう午後1時過ぎになっている。
お腹がすいたので食事する所を探しながら平和公園へ入って行く。



広島平和記念資料館
ここは10年以上前になると思うが見学しました。
ということで今回はパスする。


原爆の子の像
祈りの千羽鶴がいっぱい




平和記念公園
時間があったらゆっくり散策してみたいなあ・・・








Caffe Ponte(かふぇぽんて)
 公園の対岸、元安橋のたもとに白いパラソルが見える。行ってみるとヨーロッパ風の雰囲気のあるカフェ・レストランでした。残念ながらオープンカフェは満席、しかたなく建物内に落ち着く。広島へ来たからにはと、カキ入りのパスタと生ビールで満足(^_^)。



 ゆっくり食事をとった後、もう一か所くらい訪ねたいとガイドブックを見ると、歩いて行けそうな距離に広島城がある。帰りは広島駅16:14発の三原行きに乗る予定している。いま午後2時だから一時間半ほど余裕があるから行けそうだ。原爆ドームに戻り、先ほど降りた電車通りを横断すると前方に広島城の天守が小さく見えてくる。




子ども科学館
 大通りを渡って川沿いの公園の中を歩いて行くと噴水広場にくる。噴水の向こうに外国風?の建物もある。なんとなく描いてみたくなったので腰をおろす。時間を気にしながら描いたのがこのスケッチです。噴水の所で子供を遊ばせていた人に建物の名を聞いたら”子ども科学館?”とか・・・。広島城はどのくらいかかるかと聞くと”15分はかかるでしょう”と道順を教えてくれました。




天守を見ながら近づいて行くと広島城のお堀に着きました。
平凡なアングルだがスケッチポイントをゆっくり探している時間はない。
とりあえず、ここで一枚描いておこう。




お濠と広島城・天守閣
 この広島城は天正17年(1589)に毛利輝元が築城した。「鯉城(りじょう」とも呼ばれています。この天守閣は原爆で倒壊した後に、昭和33年に復元されたものだそうです。館内は歴史博物館になっているそうだが、絵を描いていたら時間ががなくなってしまった。とりあえず、お城の入り口の方へ行くことにする。・・・余談だが、この「鯉城」がプロ野球球団「広島カープ」の名の由来ともいわれる。はじめて知りました。






正面側の城南通りからの広島城です。




ここが広島城の正門だろう。


 そうこうするうちに、予定した帰り便の時間がせまってきた。慌ててバス停を探すが付近にない。とりあえず駅に向かって急ぐことにする。しばらく歩くとバス停がありホッとしました。すぐに広島駅行きのバスが来て飛び乗る。スムーズに駅に着いたので一本早い15:45発の岡山行きに間に合う。予定していた16:14発の電車に乗っても、どちらも守山駅着は22:41となる。この電車に乗ると乗り換えが岡山、姫路と二回、忙しい乗り継ぎが一回少なくなるので気分が楽だ。しかしここからが、なが〜い7時間の普通電車旅をしなければならない。それでも、予定通り無事に守山駅に帰りつきました。疲れたが、気ままな楽しい旅を満喫する事ができました。

・青春18切符で広島へ一日目の旅日記「宮島」です。3月23日