早春の湖南アルプス
滋賀・大津市桐生
(2013・3・4)



上桐生バス停近くからの湖南アルプス

 今日は月曜日、恒例のOBメンバーでのコーヒー会の日だ。いつもは車で草津まで行くが、あまりにもよい天気なので電車で行き、そのあとどこかへスケッチに行こう。・・・と考えながら早くも駅まで歩く間に久々に湖南アルプスの「天狗岩」へ登ろうときめる。コーヒー会は30分ほど雑談して早めに失礼、JR草津駅の観光案内ブースで「金勝山(こんぜやま)ハイキングマップ」をもらって午前11時発のバスで登山口のある上桐生へ向かう。上桐生はこの路線の終着、ここで帰りのバス時刻をチェックしてから、登る前に天狗岩が見える風景を一枚スケッチしました。この絵の左端が上桐生のバス停、後方の山並みの左の尖った所がこれから登る天狗岩です。せせらぎの傍でしたが、そんなに寒くはない。抜けるような青い空と早春の明るい日差しがとても眩しかった。


バスに乗っていた登山者は私一人でしたが、
登山口の駐車場には車が10台くらい止まっている。



最初は舗装された林道を行く



北谷線との分岐
ここで右の落ヶ滝への山道へ

今回は前回(2009年)歩いた北谷林道から鶏冠山は体力的にちょっとつらいので、落ヶ滝腺を行くことにしました。



 このあたりは1300年も前から、森林は宮殿や社寺の造営資材として伐採されてきた。その後も燃料採取などのため乱伐が進み江戸時代にはほぼ禿山となったらしい。そのため河川の氾濫など災害が多発したとある。明治時代になって本格的に治山事業等に着手され、今ではほぼ緑が甦っている。

 この湖南アルプスコースは展望も最高で、大きな岩があちこちにごろごろと露出していて変化に富んでいる。だが花崗岩が風化したザラザラの砂地があちこちに露出しているから滑りやすので歩きに注意が必要です。

             本日のコース:

 JR草津駅11:00→1130上桐生(スケッチ)12:00・・・・奥池・・・・12:30落ガ滝(スケッチ)・・・・13:15北峰縦走路出合・・・・(途中天狗岩スケッチ)・・・14:05天狗岩・・・耳岩・・・・14:30白石峰・・・・重岩・・・・・14:45国見岩・・・・狛坂魔崖仏・・・・15:15出合・・・15:53上桐生駐車場15:55→16:25JR草津駅





落ヶ滝
途中で自転車用のスタイルの男性に出会う。彼が岩の上を歩くとカチャカチャと音がする。スパイクをはいているの?って聞くと。自転車用の靴ですよ。スパイクがペダルに引っかかってこぐ力が伝わると教えてくれる。地元の栗東市から自転車で来たという。どんな自転車?と聞くとシクロ(マウンティングバイクとロード両方を兼ね備えた自転車)だという。この自転車のことが気になり、帰宅してからネットで調べたらシクロクロス=ロード+MTB(今、スポーツ自転車が注目されている中、尖りすぎず、かつかっこよく、乗りやすいタイプとして人気が急上昇中です。)とありました。男性とはここでスケッチをするのでお先にどうぞといって別れる。





尾根上にある北縦走腺の分岐
左は鶏冠山、天狗岩は右へ


展望がところどころで開ける。
大津市街(右)の後方には比叡山が望める



やがて岩の塊の天狗岩が姿を現さす
特徴があるのでJR琵琶湖線(東海道)の車窓からもよく分かる。






天狗岩のスケッチ





天狗岩から15分ほどで耳岩に着く。
ここから水晶谷腺で登山口に下山できる。この道は急な坂道で滑りそうだ。一度歩いてみたいが、今回も少し先の白石峰から狛坂磨崖仏へ下ることにする。


白石峰
 ちょっとした広場とベンチもあり休憩どころです。ここの分岐からは3ヶ所(龍王山604mへの縦走・茶沸観音線・狛坂腺への下山道)の道を選択できます。




三上山(近江富士)の展望
国見岩に近づくと右手に展望があります。奇岩がごろごろむき出しになっている湖南アルプス独特の山肌、中央が先ほど描いた天狗岩、左端は鶏冠山です。





国見岩からの展望
真下の道路は新名神高速です。



岩がごろごろした歩きづらい道を15分ほど下ると狛坂磨崖仏のある場所に着く。



ちいさな石仏が・・・



下ってきた方向、石垣などもみられる。

狛坂寺跡

 狛坂寺は嵯峨天皇の弘仁年中(810〜823年)、蒲生郡狛長者の娘が金銅の観音像を檀林皇后(だんりんこうごう)に献上し、これを時の名僧願安に下賜された。願安はこの観音像を金勝寺に安置したが、女人結界の霊地のため、この地に金勝寺の別院として一寺を建立したのが狛坂寺の創立と伝えられる。創建以来金勝寺と共に繁栄したが、明治に廃寺となる。




狛坂磨崖仏
 たて約6m、よこ約4.5mの花崗岩の磨崖面に三尊像(中央に如来像、両脇に菩薩立像)が刻まれている。作風に統一新羅彫刻の影響があり、奈良時代後期に渡来系工人による製作と考えられている。


ここから桐生辻線の林道出合までは石ころの急坂、
歩きにくいぬかる道を15分ほど下山することになる。



下山道
こんな歩きやすい道になったり、でこぼこの足元注意の道になったりいろいろ変化する。




 先ほど国見岩から見えていた新名神高速道に出会う。上桐生のバス停へはこのトンネルをくぐっていく。バスの時刻(15:55)が迫ってくる。逃すと次は1時間後の16:55のバスになる。駆け足状態で歩いてギリギリに間に合ってほっとしました。

 参考レポート ≫

天狗岩、ついこの前に登ったと思っていましたが、HPで確認したらもう3年半も前のことでした。このときは季節は秋でしたが、今回とほぼ同じコースを歩いています。ただし、このときはまだまだ体力があったのだろう、ちょっときつい鶏冠山を越えて天狗岩へアプローチしました。
 今回は早春といっても若葉の季節に名まだ早い冬の山林です。下のURLをクリックして紅葉の山と比較してみてください。

・晩秋の湖南アルプス(2009・11・23)