高野山町石道
(こうやさんちょういしみち)
(2011.5.18)
 九度山の慈尊院から全長180町ある町石道(表参道)を歩いてきました。


 この写真はその途中にある展望台からの高野山遠望です。写真中央の送電線横あたりがケーブル高野山駅です。その右手の山は前回高野山へ登ったとき歩いた女人道の弁天岳です。ここから高野山のゴール根本大塔まではまだ166町ある。まだ歩き出したばかり、先は長い。22kmの山道を完歩できるだろうか。



9:30 南海電車高野線の九度山駅で下車。
 駅でもらったハイキングマップに、180町踏破するには休憩含めずに6時間35分もかかる健脚コースとある。
ちょっとビビったけど途中に三カ所エスケープできる道があるからちょっぴり安心だ。いざ出発・・・


 駅下の交差点歩道橋の上から「町石道」の出発点方面を望む。山並みの右端から登ることになる。真田幸村ゆかりの九度山町、スタートの慈尊院はこの道を直進する。途中、真田庵にも立ち寄りながら・・・



お天気は最高、町石道のある山並みが近づいてくる。





慈尊院に到着。ここが高野山の表参道、町石道のスタート地点だ。弘法大師の母君が晩年移り住み、没後弥勒堂が建立されたことから「女人高野」として親しまれてきました。多宝塔は工事中で見れず残念。



本堂とこの弘法大師堂(ゴマ堂)に登山の安全を祈願する。このお堂は四国堂とも呼ばれ、弘法大師が御本尊です。


 さあ、いよいよ町石道歩きのスタートです。この石段の上に丹生生官省神社があり、石段途中に180町石がありました。


町 石
高野山の大堂伽藍にある根本大塔の1町石から数えて180基めの町石です。ここが高野山詣での第一歩です。町石は1町(109m)ごとに立てられている。高さは3メートルもあるそうです。


丹生生官省神社
正面の本殿を右へ、境内を出たところから町石道が始まります。




 九度山駅でもらった「高野山町石道」のコースマップです。図をクリックすると拡大地図になります。

 180町踏破するには休憩含めずに6時間35分もかかる健脚コースとあります。

 



コースは描き畑の中を電波塔目指して高度を上げていく。


町石があるこの竹林の道を抜けると再び明るい柿畑の道に


柿畑の中の急坂道を登ってくると166町石がある。この写真はそこからの展望です。



 きつい柿畑の急坂にあえぎながら高度を上げる。中央最奥の山は金剛山、その山と山の間が紀見峠です。南海高野線はそこを走って橋本駅に着く。高野山へはここで極楽橋(高野ケーブル駅)行きに乗り換えます。今回は高野山町石道を歩くので橋本から三つ目の九度山駅で下車しました。眼下に紀ノ川、その向こうに橋本市街が広がっている。写真中段の右はしは今歩いてきた九度山町です。



さらに高度が上がった展望台からの眺めです。
 高野山まではまだ165町、はるかな道のりが待っている。写真右はこれから歩いていく方向です。左最奥のピークが高野山の弁天岳です。お天気も最高、東屋の木陰で遅い昼食をしながら小休止。素晴らしい眺めに満足(^o^)丿

町石道の主なポイントと高度
上記の展望台は慈尊院から急坂を登った400mくらいの所です。

展望台からまた柿畑の急坂を登っていくと、やがて鬱蒼とした樹林の地道になる。
ここからはほとんど展望はなくひたすら歩くことになる。
雨曳山分岐を過ぎると平坦なこんな道がつづいて快適に歩くことが出来ました。




ここは六本杉とい分岐点です。
ここから丹生都比売神社への回り道がありますが、二つ鳥居の合流点まで町石道を行くより20分も
多くかかるのでパス。180町完歩を優先する。ここから二つ鳥居までは比較的平たんな道でホッとする。




二つ鳥居は展望が開け、天野の里が一望できました。ここはまだ120町石だ。ゴールはまだまだ先です。ここから下り道になる。



白蛇の岩




突然進行方向右手にゴルフ場が・・・世界遺産の道がカート道?すぐそばにティーグランド異次元からタイムスリップしたみたいで何か艶消しだ。


やがて開けた田風景が現れる。ここには小さなお堂、神田地蔵堂がある。通り過ぎて再び林の中へ町石道は入っていく。





矢立の峠道を振り返る。
上り下りを繰り返して進むと車道が左手から近づいてくる。車道と出合ったところが矢立だ。矢立茶屋が営業していたがパス、車道を横断してすぐの坂道に入る。ひらけた明るいところなのでここで大休止、遅い昼食タイムとする。



六地蔵を過ぎると袈裟掛石がある。急な上り坂がつづく。弘法大師ゆかりの石だ。



すぐに今度は右手に「押上石」がある。これも弘法大師ゆかりの石です。
再び車道に飛び出す。こんな山の上なのに結構交通量が多い。右手が開けていて展望がある。
町石道は車道を横断して山道へ(左の写真)入っていく。少し登っていくと東屋が見えてくる。展望台のようだ。
展望台の東屋
案内板の大きな展望写真には、左に和歌山市方面、正面に大阪湾、右に龍門山が映っている。
この写真は何時頃撮ったのだろうか? 今は木々が繁って展望はありませんでした。


鏡石とある。東海道の鈴鹿峠にも同じような岩があった
が、ごく普通の石だ。


しばらくは平坦な道が続きます。
所々で、木々の合間から山並みが展望できます。


16:14 大門に到着
最後の急坂を登りきると高野町入り口の大門に着く。
ここは前回来た時、弁天岳から女人道を下ってきた
所、いよいよ高野山です。


大門をくぐると高野町の街中へ入っていきます。
6町石が迎えてくれる。もうゴールはまぢか・・・
ホッとする。




ゴールの大塔手前にある1町石
地元の方に教えてもらわなかったら見過ごすところでした。




石楠花




16:30 ゴール 壇上伽藍の根本大塔に到着しました。

 九度山町で真田庵、柿の葉寿司のお店、慈尊院でお参りしてお坊さんにいろいろお話を聞いたりとスタートが遅れました。それに展望台で遅い朝食、矢立で昼食など2回の休憩時間(約45分)などをいれるとトータル7時間の歩きとなりました。 九度山駅で下車したのはご同輩の男性と私の二人だけ、なが〜い静寂な林間の町石道はまさに信仰の道の感がありました。達成感は十分に感じたことに感謝!




石楠花も咲きはじめていました。



高野山町石道完歩の記念スナップ
偶然の出会い、”こうやくん”が迎えてくれました。

縁あって一カ月以内に二度も高野山を訪れることができました。
壇上伽藍から新たに始まるは弘法大師さんの御廟までの36町石は前回の高野山レポート
高野山 (2011年4月29日)をご覧ください。