桜見物しながら琵琶湖疏水歩き

2022 3 30
 FB友がアップしていた疎水歩きを見て、私も歩いてみようと出掛けました。桜も見頃だろう。いつもはJR山科駅から疏水道を歩いて蹴上へいくが、今日は「大津の疏水基点」から歩いてみよう。いつものようにスケッチブックはザックの中に・・・。

 

琵琶湖「浜大津港」
JR膳所駅で京阪石坂線に乗り換えて”浜大津に着く。
 

 
ミシガンをスケッチしてから疏水の取水口へ向う。
 

午前10時前、浜大津駅からすぐの浜大津港につく。
丁度出航する観光船のミシガン(左)とビアンカ
  (下の写真)県道558号線「三保ヶ崎」バス停先の橋の左側に橋の左側には「琵琶湖第一疏水用水場」がある。
右手が私のスケッチした場所、琵琶湖第一疏水の取水口の入り江です。
 

 琵琶湖第一疏水揚水機場
 琵琶湖の水位は、疏水路の水位よりも高いため、大津閘門は、琵琶湖と疏水路を舟が行き来するときに、水門を開閉し、琵琶湖と疏水路の水位差を調整し、舟を通す役割を果たしています。
 

第一疏水の取水口の入り江
(滋賀県大津市浜大津4丁目)
 今朝は寒かったが、ここにきてとても暖かくなる。上着も脱いで気持ちの良いスケッチタイムです。何度も描いている構図です。




第一疏水の取水口の入り江



ちょっとゆっくりしすぎた、さあ今日の目的の疎水歩きをスタートしよう。
県道558号線の橋の袂の地面に「琵琶湖第一疏水あるきの基点」の銘板がありました。
疏水歩のゴールは京都の鴨川、ここから12.5kmです。完歩できるかな。
   スタート地点から5分ほど疏水に沿って歩いて行くと
大津閘門(写真左)があります。

大津閘門
 閘門とは船舶を高低差の大きな水面で昇降させる装置で、2つの水門の間に船をいれる閘室がある。湖水の増減にかかわらず、一定の水量を送ることができるように、明治16年(1883年)の大渇水の湖面より低く設定した。 現在も動かすことができ、日本人だけで作った最古の閘門だすです。
  

第一トンネル東口
疏水に沿って歩いて行くと疏水に流れはこのトンネル内へ・・・。


第1トンネル東口
 入口上部には扁額があり、初代内閣総理大臣「伊藤博文」筆の「氣象萬千」という文字が刻まれています。氣象萬千:千変万化する気象と風景の変化は素晴らしいという意味だそうです。ここから疎水は長良山下をトンネルで抜けます。


長等神社
  疏水歩きは第一トンネルから左へ、三井寺観音堂入り口を過ぎてここ、長等神社に着く。小関越え道へは右の道を行く。少し歩くと「小関越え」道に突き当たる。

 

小関越え道にある石造りの道標、ここを右へ。
 

小関越えの峠まではしばらく登り道がつづきます。
 

 小関越え道に入って、舗装路の坂道を約20分、峠の地蔵堂に着きました。気温が上がって、もう汗ビッショリ。


 「峠の地蔵堂」からすぐのこの分岐に着く。小関越道は左の細い道を下って行きます。道案内板があります。
 

 峠から下り道を約10分、左手に琵琶湖疎水工事で使われたという第1竪坑(シャフト)が見えてくる。
 

これは第一竪坑のところにあった疎水歩きのマップです。
※図をクリックすると拡大します。
 工事の要・日本初の竪抗方式:第1トンネルの工事は、山の上から垂直に穴を掘って、そこから山の両側に向けて工事を進めていく竪坑方式が日本で初めて採用された。



第1トンネル西口
 ここはまだ滋賀県大津市藤尾奥町です。この先、少し歩くと京都市山科区の四ノ宮になります。
 

疏水沿いの桜は満開でした。
ここからは疏水沿いの道になります。

 この第1トンネル西口の扁額は「山縣有朋」筆の「廓其有容」の文字が刻まれています。廓其有容:疏水をたたえる大地は、奥深くひろびろとしている、という意味だそうです。


疏水に沿って歩く。桜も満開お天気も良い。
 

ここは諸羽トンネル東口(四ノ宮舟溜り)です。
11:20  疏水歩きの起点の大津市の三保ヶ崎を出発、ゆっくり歩きで1時間半が経過しました。
もう午後1時前、休憩&昼食しようと思いましたがベンチが開いていないのでパスする。


山科駅からの毘沙門堂参道の橋に着く。
 

ちょっと毘沙門堂へ寄り道しました。


  

   四ノ宮船溜から疏水は諸羽トンネルへ。歩く道はJR東海道線に沿った道で、大きく迂回して、トンネル出口で再び合流します。その先の橋を渡って毘沙門堂へ向かいました。

   
  朱色鮮やかな毘沙門堂(正面)横へ回ると桜が満開
お詣りしてから安祥寺川沿いの道を下って疎水道に戻る。




歩いていると、「疏水遊覧」の舟が追い越していきました。
 

疏水第2トンネルに着く。(※写真は3月15日撮影)
 疏水にかかる橋を渡って広場へ。あずま屋でやっと”休憩&昼食”となりました。疏水道はここから第2トンネルを迂回して第3トンネル東口へ、そこから三条通りを歩いて蹴上に向かいますが、私は第2トンネル前から山道を歩いて、七福思案処へ向かい、そこから日向大神宮を経由して第3トンネル西口の蹴上へ下るコースを選びました。


ここから山道へ入って行く。
 

沢水を集めた堰堤横の道を登って行く。
 

 広い枯れ沢の中を歩いて行く。やがて山科毘沙門堂からの山道に合流、そこからちょっと急坂を登り切ると「七福思案処」に着く。その後、京都トレイル道(右図)の赤ラインのように歩いて蹴上に下ります。
 


日向大神宮
手前は下宮、奥が内宮の建物です。
 

 お詣りをして日向大神宮を後にする。ここから急坂道を一気に下ると蹴上の第3トンネル西口に着きます。


 

桜満開の疏水第3トンネル出口(西口)

左手のトンネルからは第二疏水が合流してきます。
右手の重厚な赤レンガ造りの建物内には「旧九条山浄水場ポンプ室」があります。





この絵は半月前に来た時、描いたスケッチ作品です。



 ここから疏水は南禅寺境内へ流れていきますが、琵琶湖からの30石船は高低差がある「蹴上」と「南禅寺の船溜り」間を、線路上の台車に乗せて下ります。ここが”蹴上インクライン”です。この装置の長さは518m、建設当時は世界最長の傾斜鉄道でした。


レール上に置かれた30石船の台車
 

インクライン(傾斜線路跡)は桜の名所

  

インクライン上の満開の桜を見物する大勢の観光客
 

この先が「南禅寺の船溜り」です。
 

満開の桜と平安神宮の大鳥居と京都市京セラ美術館
  「南禅寺の船溜り」からはこんな広い疏水となります。


こちらも桜見物の観光船が運行されていました。


疏水に沿って歩くと小規模な「夷川発電所」があります。
17:00 やっと琵琶湖疏水のゴール、鴨川に着きました。





疏水歩きゴール
ここには疏水歩き終点の案内板がありました。

 そすいさんぽ
琵琶湖から
12.5km

出発して約6時間の疏水道歩きでした。


********* 過去に歩いた疏水道  *********

・琵琶湖疏水歩き-1で工事用の竪抗(シャフト)探し 2006/10/17

・琵琶湖疏水歩き-2とスケッチ 2006/10/19