JR篠原駅から鏡山へ
鏡山(竜王山) 384.8m
2014・11・30
 古今集にもうたわれた西の竜王山(鏡山)は万葉の昔より数多くの歌人に愛され歌枕として詠まれてきました。「鏡山」は和歌、俳句、漢詩に百余首もあるという。

     ”鏡山 君に心や うつるらむ いそぎたゝれぬ 旅衣かな” ・・・ 藤原定家
”吾妹子(わぎもこ)が 鏡(かがみ)の山の もみぢ葉の うつるときにぞ 物はかなしき”・・・ 大伴家持


 午前中に用事を済ませて昼食後、お天気も良いので何処かへ出かけたくなる。そしてふと思いついたのが野洲の希望ヶ丘公園からつながる鏡山でした。今日は一度歩いたことのあるJR篠原駅からアプローチしました。午後1時半、篠原駅を出発する。踏切を渡って南へ。安養寺町の集落を抜けると正面に鏡山が見えてくる。



一番奥のピークが鏡山です。
 鏡山の登山口へは、見えている新幹線の架橋をくぐり、鏡山の前にある低い山を回り込んでいくことになります。前回は左からアプローチしたので、今日は右手から行ってみよう。
鏡山は蒲生郡竜王町鏡と野洲市大篠原の境界に位置しています。
 

電波塔
 14:00 入町の集落を過ぎ、先ほど見えていた低山にある電波塔を左手に見て山の後ろ側の国道8号線へ。
 

国道8号線(中山道)が見えてきた。
国道を横断して出町の集落道へ入って行く。


  集落に入ってすぐ、家の間に空き地があり、その中に「案内板」が見える。その奥は真新しい堰堤と山道らしきものが見えている。行ってみると案内板には「八幡神社跡・星ヶ峯城址」とある。


「八幡神社跡・星ヶ峯城址」

 山頂に向かって約100m、旧い参道を辿ると八幡神社の旧跡に至る。さらに約100mで星ヶ峰山頂の星ヶ峯城址に至る。八幡神社は小字出町の人々の信仰を受けていたが、明治44年に、大篠原神社に合祀された。しかし、宮跡では今も出町の人々がお祭りしている。
 星ヶ峯城は鎌倉時代、鏡久綱の居城で、星ヶ崎城と称した。承久の乱で鏡氏は滅び、その後、馬淵氏、そして六角義賢が城主となった。そのころから星ヶ峯城と呼ぶようになった。戦国時代、織田信長に敗れ、現在残礎の石垣を残すのみで、頂上には竜王町による「星ヶ崎城址」という石碑が建っている。
野洲市大篠原自治会
大篠原郷土史会



出町の集落
 登山口らしき道から、歩いてきた国道8号線を振り返る。


 

 獣柵を開けて、堰堤の左端を上がると約20m幅位の平地がある。そこに小さな石が数個囲われている。ここが案内板にあった八幡神社跡?かな。登山道をウロウロ探し回るが見つからない。
 

 見当をつけて平地の左から山へ登ってみると赤テープが見えた。ここが登山道だ。


 


  14:25 しばらく登って行くとしっかりした登山道に出会う。以前、「竜王鏡の里」道の駅から登った時の道と合流したのだ。
 


分岐からは鏡山への道標もあるしっかりした道だ。
道探しでちょっと時間をロスした。先を急がねば・・・





14:35 星ヶ崎城址からの展望
湖岸に見えている小さな山は湖岸道路沿いにある岡山です。
 

 六角氏の星ヶ峯城は織田信長に敗れ、現在はこの写真のように石垣を少し残すのみです。



竜王町による「星ヶ崎城址」という石碑が建っている。

星ヶ峯の標高は222m



北東に延びる国道8号(中山道)沿線
中央の山は観音正寺のある繖山です。
星ヶ崎城はまさに「京の都」への交通の要所にあったのだ。
 

星ヶ崎城址からの北方向の展望
びわ湖岸に見える小さな突起は岡山、中央は長命寺山と津田山、です。
長命寺山の右手前は近江八幡市の八幡山です。
びわ湖の対岸(湖西)には比良山系が霞んで見えています。
眼下の山は鏡山の手前に見えていた電波塔のある低山です。
その向こうの町並みが篠原です。新幹線が走っているのも見えている。


 

落ち葉が敷き詰められた登山道はとても滑りやすい。



紅葉もちょっぴり顔を出す。

 

15:09 登山道にはこんな岩も・・・
鏡山への道は何度もアップダウンを繰り返す。
 

15:38 涼み岩に到着
すぐに城山への縦走路分岐があって・・・
 

15:40 鏡山山頂の二等三角点に着く。
展望はない。
  

15:43 竜王山頂上に着く。
もうあたりは薄暗い。急いで下らないと道に迷うことになる。
写真を撮っただけで竜王インターへの下山道へ。
 

歩きやすい下山道
 

15:50 「鳴谷池下山方向」と書いた道標に出会う。
  

木々の切れ目からの東の展望が・・・
これから下山する竜王インター方向だと思うが・・・
 

15:55 分岐に出会う。
散策路下山方向(左)へ道をとる。
 

鏡山と雲冠寺(うんかんじ)跡

 鏡山の山頂近くには聖徳太子26歳の時(600)に自ら観音像を彫られ創建された雲冠寺(うんかんじ)跡があります。
嵯峨天皇(809~823)の時、伝教大師(最澄)(767~822)に勅旨が下り再建。往時は、堂塔僧坊五堂、精舎1000坊が立ち並び朝夕には梵鐘が響き全山にこだまして、さながら釈尊の祇園精舎を偲ばせたといわれます。

 また山頂の竜王宮には、雨の神・水の神ともいわれる八大竜王の一つ摩耶斯竜神(まなしりゅうじん)がまつられ霊山、竜王山として有名です。

竜王町観光協会のHPより
 

16:10 暗かった山道から開けた鳴谷池に出てホッとする。
進行方向を写しています。
 

鳴谷池
下山してきた方向です。
 

池畔に薬師希望ヶ丘下山方向への分岐に出会う。
私は池に沿って直進、竜王インターへ急ぐ。
 

突然、池畔に爆音が響く。
急に林道からバイクライダーが飛び出してきてびっくりする。
  

鳴谷池
右の山から下山してきました。
 

岩がゴツゴツ露出した鳴谷渓谷


夕暮れ迫る下山道(林道)
ここまでくれば暗くなっても一安心だ。



16:17 鳴谷渓谷横の林道でまたバイクライダーに
遭遇する。この後、数台のバイク乗りに出会いました。
 

16:23 モトクロス場みたいな砂地の広い所に出る。
モーターバイクが走り回るのも納得できる場所だ。
三井アウトレットパークのライトが見えてきました。
 

16:30 日暮れギリギリに竜王インター近くの三井アウトレットパークに到着しました。あわただしいハイキングも無事終了しました。ホッ!(^^;)。ここからJR野洲駅行バスが30分毎にでている。
   
バスの時間待ちにアウトレットパーク内を散策する。
ここの広大な駐車場は車で満杯でした。日曜日とはいえ、すごい人気なんだなあ。



下記は私の歩いた鏡山関連の山行報告です。ご参照ください。

・今年の登り納めで鏡山へ(2004/12/28)

・希望ケ丘から鏡山へ(2002・11・11)