中山道の柏原から清滝山登山
(標高439m)
2013・4・9
 今日もよい天気だ。何処か手軽にいけるところを探そうと手元にあった「JRふれあいハイキング4月⇒6月」をチェックする。目にとまったのは手軽にいけそうで山野草が見頃だという”4/10 イワウチワの咲く清滝山と道誉桜の徳源院”に決める。清滝山の登山口は2年前の冬、第二日曜写生会の2月例会「冬の伊吹を描く」で行ったときに確認している。このときは積雪で登山を断念しました。さあリベンジに出かけよう。


10:54 守山発の新快速で米原へ、そこでJR東海の大垣行き普通電車に乗り換え3駅目が柏原駅です。今朝の行き先検討だったのでこんな遅い出発となりましたが、所要時間が2時間なので問題ないだろう。 


10:52 柏原駅を出発。清滝山へはJR東海の線路沿いの道を戻る。線路の向こうに清滝山が見える。山頂にあるNHKの中継所の建物が白く光っている。


駅から5分程歩くと清滝山の全貌が見えてくる。登山口は麓の清滝集落の中にある清滝神社になっています。





柏原散策ルートです。




進行方向左側(南)には鈴鹿の山・霊仙山が・・・


右側(北)には日本百名山の伊吹山が・・・


清滝の集落に近づくと山頂の中継所がはっきり見えてくる。


清滝神社の参道は桜が満開でした。



清滝神社へ参拝
ここまでは二年前の写生会の時に来ている。




神社横の登山口から、石ころがゴロゴロした荒れた道
急登で歩きづらい。



鬱蒼とした樹林帯を抜けると日当たりのよい
このような場所になる。すぐに尾根になる。



12:45 展望のよい尾根道から頂上が間近に見える。
ここは調子の口というところらしい。



 尾根から柏原を望む。中央のおわんを伏せたような山の右側に駅が見えている。手前が登山口のある清滝集落です。


同じ尾根からズームアップ
柏原駅に向かうJR東海の電車が走っている。



12:56 頂上のNHK中継所が見えてきた。



40分ほどで頂上につきました。
中央の石ころみたいに見えているのが三角点です。



清滝山頂上からは雄大な伊吹山が望める。標高1300m、滋賀県の最高峰です。


清滝山頂上で記念スナップ、伊吹山を背景に・・・


カメラは頂上の三角点の上にセットしました。
今回はラッキーなことに百円均一のミニミニ三脚をポケットに入れていたので記念スナップが楽に撮れました。


標高1000mの霊仙山が展望できる。


米原、琵琶湖方面の展望




頂上でゆっくり休憩しながら展望を楽しみました。おにぎりをほうばりながら眼前に迫ってくる伊吹山をスケッチする。
日向ぼっこをしたりで、たっぷり1時間を頂上で過ごした。



13:50 下山は登ってきた反対の道を下ることにする。イワウチワの咲く清滝山と紹介されていたが
まったく咲いていない。先客のお二人から開花時期はもっと先だよといわれる。楽しみにしていたのに残念・・・


最初は歩きやすい下り道です。



真紅の山つつじがあちこちで咲いていて
目を楽しませてくれました。


後半は急な木段道だが手すりが完備している。


14:15 一気に下って清滝の集落へ飛び出す。


せっかく来たのだからと登山口まで戻って徳源院の道誉桜を見に行こう。



清龍寺徳源院
(せいりゅうじ・とくげんいん)
右手が巨木の道誉桜でしたが、残念ながらこちらも満開を過ぎてご覧のとおりです。
宇多源氏の流れをくみ、中世に近江北部を領した佐々木京極氏の菩提寺です。佐々木京極氏は、五世高氏(道譽)が足利尊氏の下で活躍したことにより栄えた。


三重塔




徳源院の境内から清滝山を望む。
本尊は木造「如意輪聖観世音菩薩坐像」
(恵心僧都作)


まだ時間がたっぷりあるので、スケッチでもしようと柏原宿(中山道)に戻る。


柏原宿歴史館(国の登録有形文化財)


あと500mくらいで柏原駅という場所まで来て・・・
 柏原宿歴史館でもらった「中仙道マップ」を見ていると、醒ヶ井宿まで一駅歩いてみたくなる。醒ヶ井宿までは約6kmくらいとある。はじめから中山道を歩くつもりならここまで戻らずに、徳源院から峠越(東山道)で北畠具行卿の墓を経由していけばロスがなかったのに・・・いつも思いつきで行動するのでこんなことが多発します(^_^;)。


伊吹堂亀屋佐京商店
盛時には十軒近くあったもぐさ屋のうち、今も残るただ一軒の老舗です。この建物は文化十二年(1815)のもの。





西の荷蔵跡
 運送荷物の東西隣宿への継立(駅伝運送)が、当日処理できない場合、荷物を蔵に預かった。この蔵は西蔵とも呼ばれ、藩年貢米集荷の郷倉でもあった。 なお宿場は当宿は寺院数が中山道で二番目に多く、寺院は荷蔵や宿屋に利用され、柏原宿は大通行定番の宿泊地となった。
宿場を通り過ぎると西見付に来る。一里塚がある。


柏原一里塚(復元)


数本の松が街道の面影を残している。
  一里塚は旅人の里標(みちのり)の目安・駕篭・馬の乗り賃の目安と旅人の休憩場所として造られた。 慶長九年(1604)徳川家康の命を受け、秀忠はまず東海道と中山道・北陸道での一里塚築造に着手した。一里塚の規模は、五間(9m)四方に盛り度して一本または複数本の木が植えられた。柏原一里塚は、江戸日本橋から数えて百十五番目で、柏原宿内の西見付近くに街道を挟んで北塚と南塚があった。
柏原宿西の入り口(西見付):この地点の海抜高度は174m。(摺針峠は154mでここより低い)東見付まで十三町(1.4km)。長く高地の町並みが続く。
                                    (九里半街道)
 中山道関ヶ原宿と馬場宿の間は、九里半街道とも呼ばれた。木曽・長良・揖斐川の三川の水運荷物は、牧田川養老三湊に陸揚げされ、関ヶ原宿から中山道に入り馬場宿で、船積みの米原湊道へ進む。牧田から米原湊までの行程は九里半あった。関ヶ原・今須・柏原・醒ヶ井・番場の五宿は、この荷積みでの問屋場が多かった。                      
 松並木のすぐ先に史跡「北畠具行卿の墓」への道標がありました。ここを右折して0.4Kmとあるので立ち寄ることに。少し行くと山道になる。少し小高いところに着くと北畠具行卿の石碑がある。ここは峠になっているようだ。このまま下ると徳源院の駐車場が林間越しにみえている。道標通り道なりに50m進むと北畠具行卿の墓でした。


北畠具行卿の石碑がある峠


開けた広場にある北畠具行卿の墓
 北畠具行の墓 [史跡]
(きたばたけともゆき)
 権中納言・北畠具行(成応三年~元弘二年、1290~1332)は後醍醐天皇の側近です。天皇が鎌倉幕府討伐を計画した元弘の変(1331)の中心人物でしたが、計画は失敗し、幕府に捕らえられました。幕府は佐々木京極道誉(京極氏第五世高氏)に具行の鎌倉護送を命じ、ついで斬首を命じました。具行は元弘二年六月十九日、ここ柏原の地にて生涯を閉じました。墓所の宝篋印塔(ほうきょういんとう)は斬首の年から十五年後に建立したという陰刻銘、貞和三丁亥(じょうわ・さん・ひのといのしし)十一月二十六日があります。

同じ道を引き返して再び中山道へ・・・・15分ほど歩くと


小川関跡の分岐


舗装路の中山道を行く
上の分岐には歴史街道「柏原宿枝郷 長沢(ながそ)」の道標があり、左:中山道 右:旧中山道と記してある。そばの石碑には「小川関跡」と刻んである。旧中山道は鬱蒼とした森の中へ入っていくので、周囲が開けて明るい舗装路を選択する。


先ほどの分岐から10分歩くとこの石碑に出会う。石碑にはこれより先は「梓」東山道横河駅跡、戻れば柏原宿、江戸後期は大和郡山領とある。


石碑から5分ほど行くと集落が現れ、「ここは梓です」の案内がある。




推定横川の馬屋跡(よかわのうまやあと)
 古代律令国家は畿内から全国に、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道、西海道の七道と30里(約16km)ごとに駅屋を設けました。近江の東山道には勢多(大津市)、篠原(野洲市)、清水(東近江市)、鳥籠(とこ・彦根市)と横川(米原市)に駅屋が置かれました。米原市内にあった横川駅の位置は、醒ヶ井と梓河内の二説があり、梓河内には小字「馬屋ノ谷」「馬屋ノ谷口」や、横川の略称とされる「小川(こかわ)」などの地名があることから、古代東山道の横川の駅家跡に推定されています。



古代近江の交通路


このあたりにも街道の面影松並木が・・・・
名神高速と国道1号がすぐ傍を併走している。


16:16 国道21号と別れ街道は左へ分岐
その横は名神高速路が通っている。



一色神社



ここのも一里塚の石碑がある。



仏心水の背景、川の両岸には桜並木が続いている。



仏心水
中山道の要衝にある「仏心水」
 馬頭観音近くにあり、街道を往来する馬の息災を祈願して建立された馬頭観音に対して、この井戸は旅人の喉を潤すだけでなく御仏の慈悲のもとで旅の安全を祈願したような意味があると考えられています。このあたりは国道21号より上にあって見晴らしがよい。


鶯ヶ端
ここからは西方の眺めがよく、はるか京都の空が望めるというので有名で、旅人はみな足を止めて休息したという。
旅やどり ゆめの醒ヶ井の かたほとり 初音もたかし 鶯ヶ端
能因法師(中古三十六歌仙の一人)


見附跡


醒ヶ井宿の東の入り口
見附跡、
 醒ヶ井の東西には見附(番所)が設けられ、ここは道が直角に右へ、すぐに左と道が枡形になっていてる。東の見附から西の見附まで八町二間(876m)が醒ヶ井宿であった。


醒ヶ井宿の通り。桜吹雪の中をJR醒ヶ井駅に向かう。


清水が流れる地蔵川、6月になると梅花藻が咲く。
いまは桜の花びらが川面に落ちて綺麗だ。


16:46 JR醒ヶ井駅着
寄り道歩きで思ったより時間が架かったなあ・・・



よいお天気に恵まれ、清滝山登山から中山道を一駅歩いて醒ヶ井宿まで史跡を訪ねて歩けました。
わずか半日で盛りだくさん楽しめた一日でした。